ナイジェリア:石油関連企業襲撃 従業員ら30人誘拐
【ヨハネスブルク白戸圭一】ナイジェリアからの報道によると、同国南東部の産油地帯で2、3の両日、武装勢力による石油関連企業への襲撃が相次
ぎ、外国人を含む企業従業員の少なくとも計30人が誘拐された。同国陸軍によると、従業員を守ろうとした政府軍兵士3人が死亡、兵士7人が行方不明になっ
ている。 ロイター通信によると、産油地帯の中心都市ポートハーコート近郊の川で2日、採掘関連資材などを運んでいたロイヤルダッチシェル
の関連会社の船が武装した約70人に襲撃され、ナイジェリア人従業員25人が誘拐された。近くの政府軍部隊が応戦したが、兵士3人が死亡、7人が不明に
なったという。 また、3日には地方都市エケのエクソンモービル社事務所近くの石油企業従業員の居住地が襲撃され、少なくとも外国人5人が
誘拐された。5人の所属企業は不明。国籍は英国、マレーシアなどが挙がっているが、情報が混乱している。居住地の警備員2人が死亡したとの情報もある。
ナイジェリアの産油地帯では、原油利益の地元への還元を訴える武装勢力が乱立している。「ナイジャーデルタ解放運動(MEND)」など3組織の連合体であ
る「統合革命評議会(JRC)」が船の襲撃について犯行声明を出したが、直後にMENDが事件への関与を否定するなど事件の背後関係は分かっていない。 毎日新聞 2006年10月4日 18時37分
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