2013/09/10-09/12 国士舘大学地理学会夏季巡検が開催されました

  


 国士舘大学地理学会の夏季巡検が、23日で開催されました。今回の巡検は、京都と滋賀を巡る巡検で、歴史的街並みや伝統産業、各地の水利用や環境保全の取り組みを見学しました。参加者数26名は近年稀にみる参加者数でしたし、1年生が多数参加したことも喜ばしいことでした。資料作成と現地見学先の調整、宿泊先手配等は、学会役員の3年生(行事:助野君、田中さん、編集:西本君、会計:郡場さん)が活躍しました。引率は岡島先生と宮地でした。

1日目の正午に、京都駅西口の時計台前で集合。全員無事に集合しました。案内役の助野君から挨拶がありました。3日間の巡検が始まりました。いざ出発です。

最初に京都駅の駅ビルから京都盆地を俯瞰した後、京都の街中に繰り出しました。表通りと裏通りを歩きながら、京町屋の残存状況や京都の景観政策の影響を見学しました。

続いて錦市場を見学。「京の台所」と称される錦市場。400年の歴史があるそうです。この地に錦市場が開かれた理由の一つに、地下水が関係しているそうです(京都錦市場商店街振興組合公式webサイトhttp://www.kyoto-nishiki.or.jp/about.html)。地下水を「降り井戸」で生ものを冷やして冷蔵庫代わりとして、生鮮食料品を売買する市場の役割を果たしたそうです。

390mにもおよぶ市場のなかには、京野菜を売る八百屋さんもありました。美味しそうです。。。京都府等は、京野菜の地域ブランド構築を目指して全国に先駆けて様々な取り組みを行ってきました。その取り組み内容は、以下のサイトで概要を把握することできます。
京都府:http://www.pref.kyoto.jp/brand/11700078.html
 
公益社団法人京のふるさと産品協会:http://kyo-furusato.jp/ ※組織が改組されています。当初は(社)京都府野菜経営安定資金協会(1972年設立)。 
JA
全農京都:http://www.kt.zennoh.or.jp/kyoto/index.htm

高瀬川へ移動。岡島先生から水運の歴史と高瀬川の物流に果たした役割について説明を受けました。

先斗町を抜けて鴨川へ抜けました。残暑厳しいなかでしたが、みんなで記念撮影。

一行は、路線バスで一路大原へ。

1日目最後の見学地は、京漬物(しば漬け)の老舗・土井志ば漬け本舗でした。

最初に赤紫蘇を漬けている工場を見学させていただきました。原料の赤紫蘇は大原産限定。こだわりの食材なのです。

工場のすぐ隣には自社農場もありました。映っている作物が赤紫蘇。

 

 

次に漬物の製造ラインを見学。しば漬けや千枚漬けの製造の様子を見学しました。

 企業説明を受ける参加者。興味深いお話をたくさん伺い、勉強になりました。1年生は初めてのヒアリングの経験だったかもしれません。

 

 

1日目の宿は、大原にある大原山荘。寂光院近くの温泉宿です。

夕食は、ボリューム満点の鍋料理(京赤地鶏の味噌鍋)。みな満足の様子です。写真は新進気鋭の1年生たち。 

 

 

夕食後、役員と引率教員は、明日のコースと説明内容を打ち合わせ。

 

 

2日目と3日目は貸切バスで移動しました。バスの中で資料に基づいて説明が続きます。学生たちも一所懸命メモをとっていました。 

2日目、まず琵琶湖疏水記念館を見学しました。琵琶湖疏水の開設の歴史やその役割を学びました。 

 

 

 蹴上インクラインを歩きながら見学しました。

琵琶湖疏水も見学。この日も気温が35度近くなる1日で、疏水の水と南禅寺周辺の里山の木々の木陰が心地よかったです。  

 

 

南禅寺の水路閣(写真)まで歩きました。国内外の観光客で賑わっていました。

その後一行は伏見(京都市伏見区)のまちへ移動。昼食は、伏見大手筋商店街でグループにわかれてとりました。 

 

 

伏見は清酒醸造の街。写真は月桂冠(株)。豊かな水資源を活用した伝統産業が栄えてきました。

伏見は水郷のまちです。写真の濠川は宇治川に流れ込む運河です。元々は豊臣秀吉が伏見城の外堀として開削したのが始まりのようですが、琵琶湖疏水が開通(明治期)すると、疏水と繋げられて琵琶湖の水が流れるようになりました。 

 

 

伏見港公園近くにある三栖閘門の歴史を解説した資料館で、伏見とその周辺地域の治水の歴史、三栖閘門の役割などを学びました。

伏見の街のなかで、寺田屋も見学しました。1860年代に尊皇攘夷派の騒動と坂本龍馬襲撃事件が発生した。日本史受験の学生たちは、関心をもって見学していました。 

 

 

2日目の宿は、大津市(膳所)のアヤハレークサイドホテル。部屋からは琵琶湖を眺めることができました。

お土産コーナーには、「ふなずしぱい」なるお菓子が。。。早速購入して、みんなでわけて食べました。味のほうは・・・いろいろな感想がありました。

 

 

 

 

 

 

最終日は、草津、近江八幡を巡りました。写真は東海道の草津宿の概要を説明する岡島先生と学生たち。 

草津宿街道交流館の館長さんにご案内をいただいて草津宿の本陣を見学しました。あわせて、途中、草津宿の伝統的な街並みを見学しました。 

 

 

草津では、もう一つ見学のポイントがありました。天井川です。写真のトンネルの上をかつて草津川が流れていました。

土手をあがると旧草津川です。今はここに水流はありません。治水事業の一環で、20027月に旧草津川の少し南に草津川放水路が開削され、今はそちらに水が流れています。 

 

 

 その後、条里集落として知られる十里(栗東市)という集落を見学しました。

琵琶湖博物館も見学しました。琵琶湖の成り立ち、琵琶湖周辺の人々の生活、琵琶湖の環境保全の取り組みなど、多面的な展示がなされています。とても数時間の見学ではみきれません。 

 

 

 博物館内にあるレストランで昼食をとりました。写真は「近江御膳」。バスの天ぷら、ごりの佃煮など、琵琶湖の味が楽しめます。

最後に近江八幡の街を訪ねました。近江商人の商家の街並みを見学しました。 

 

 

歴史的街並み保存地区の説明をする岡島先生 

八幡山ロープウェーで八幡山へ。ロープウェーに乗ると、素晴らしい眺望がそこに広がっていました。近江平野が米どころであることもよく分かります。緑色のところは大豆畑。手前が近江八幡市街。 

 

 

八幡山の展望台から琵琶湖方面を眺めてから、今回の巡検のまとめを岡島先生から。 

バスで京都駅まで戻ります。途中、道の駅びわ湖大橋米プラザに立ち寄りました。店内には、近江米をはじめ地域の特産品がたくさん販売されていました。 

 

解散は京都駅八条口。午後630分ころ解散となりました。参加者の普段の行いがよいのか、3日間天気にも恵まれ、内容的にも大変充実した巡検になったと思います。お疲れ様でした。 

 

 

(文責・撮影:宮地忠幸)