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VOL.2-12  2000年12月

カナダ・ブリティッシュコロンビア州の農村
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  1999年7月3日ー7日、カナダ・ブリティッシュコロンビア(BC)州のサイモ ン フレーザー大学で国際地理学連合(IGU)の農業・農村に関する会合が開催さ れました。大学での発表および2泊3日巡検。巡検先でも参加者の発表に加えて各地 域の行政担当者の講演。道路沿いに直売所を開設している農家やワイナリー訪問など 充実した内容でした。


(写真1)                     

(1) ウイスラー周年型のリゾート地。1980年代に急速に発展、ベッド数でみると1977 年10,000、1994年45,000。1994年以来成長管理の考 え方を導入している。


 (写真2)

(2) ジンセン(Ginsen,朝鮮人参) 1993年頃からこの地域の気候が適しているとの理由で導入される。農家は 業者から委託を受けて栽培。現在栽培面積1300-1400ha.


(写真3)                    

(写真4)

(3)オカナガン谷のぶどう畑とワイナリー バンクーバーの東、260km.南北に細長く広がるオカナガン湖。その斜面 の土壌は肥沃で畜産、果樹栽培等の農業生産が盛んである。特に1989年米 加自由貿易協定締結以来ワインの生産が拡大、BCワインのほぼ100%が ここで醸造される。ワイナリーは今日ではこの地域の重要な観光スポット。勿 論 日本人観光客も訪れている。沈みゆくカナダの夕陽を見ながら飲むワイ ンの味は格別。


(写真5)

(4)バンクーバーの東70kmアボッツフォードの新興住宅地 BCの人口の79%はバンクーバー都市圏(189万)およびトンプソン・オ カナガン地区(35万)に集中している。この地区はまた農業総生産額の78 %を占める農業地域でもある。1970年以来都市域が拡大した結果、 農業との間に軋轢(Conflict)が生じている。都市住民の苦情の内容 :鳥を追い払うガンの音がうるさい。農家にいわせると、鳥は朝来るので、朝 発砲しないと効果がないとのこと。5分おきに発砲(回数は未確認)。家畜の臭い。農業機械の作業音およびほこり。これらを調整するために州として土地利 用に関する委員会を設置し、土地利用計画の策定、都市住民に農業に対する理 解を求めてのPR活動等を行っている。ちなみにBC州の全面積の95%は森 林、農地は5%。従って農地は貴重な資源なのである。 


<写真1〜5:いずれも1999年7月、長島 弘道撮影>

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