VOL.2-10 2000年10月
「指標植物Phytometerの例:ハワイの偏形樹 」
※写真が多いので、電話回線での閲覧は時間がかかります。
アメリカの気候学者ソーンスウェイトは「植物は様々な気候要素を総合して示す気象観測機器である。経験を積めば、温度計や雨量計のように読むことができる」と言いました。確かに植物は長年の自然環境の影響をその生活形の中に蓄えています。その情報をうまく取り出せることができれば、観測機器の代わりに利用できるかも知れません。
ハワイは北東貿易風に一年中さらされており、夏の貿易風は風向・風速共に安定していますが、冬の風はばらつきが大きく、何日も強風が吹き荒れることもあります。このような環境下で樹木は面白い姿を見せます。
(写真1) (写真2)
写真1 オアフ島の北端、カフクの偏形樹(Ficus retusa、クワ科)
写真2 ハワイ島の最南端(アメリカ合衆国最南端)、サウスポイントの偏形樹(樹種不明)。海の方へ向かって曲がっている。
(写真3) (写真4)
写真3 オアフ島の真ん中、ミリラニの偏形樹(Eucalyptus spp.、フトモモ科)。背景はパイナップル畑。
写真4 オアフ島の北東海岸、カネオヘ海兵隊基地内の偏形樹(Ficus retusa、クワ科)
(写真5) (写真6)
写真5 オアフ島東端、ブローホールの偏形樹(Prosopis pallida、マメ科)。潮風に当たって完全に匍匐している(左端が根元)。風のないところでは傘の形をしたりっぱな樹冠の大木となる。
写真6 オアフ島東端、ブローホールの偏形樹(Prosopis pallida、マメ科)。写真5に同じ。
<写真撮影 野口 泰生>
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