VOL.3-12 2001年12月
「フィリピン・ルソン島南西部の農村景観 」
※写真が多いので、電話回線での閲覧は時間がかかります。
国士舘大学地理学教室では、2001年9月にフィリピン・デラサール大学との交流セミナーを行い、マニラとその周辺地域を見て回った。その中でルソン島南西部の山麓部のある農村を訪れたので、その景観を紹介する。
訪れたのは、マニラの南、車で約3時間、マッキリン山の東の小起伏山地に広がるMAJAYJAY(マハイハイ)という町である。この一帯のおもな産物はココヤシと米で、山腹の緩傾斜地には写真1のような水田とココヤシ・プランテーションからなる景観が延々と広がっていた。写真2〜6は、マハイハイの中でも山地寄りに位置するTAY
TAY(タイタイ)という地区で撮影したものである。写真2はタイタイ中心部の集落の景観である。建物の背後にみられるのはココヤシをはじめとする果樹の多い樹林で、バナナやマンゴー、ジャックフルーツなどが育てられていた。
<写真1> <写真2>
写真3は小学校で、校舎の前の土地を男の子たちが耕していた。写真4は、集落近くに多い景観で、ココヤシにその他の果樹が混在した樹林である。
<写真3> <写真4>
写真5は、集落からややはずれた山地部の景観である。山頂部を中心とした緩斜面がココヤシ・プランテーションとして利用されているのに対し、急斜面は樹林(二次林もしくは半自然林)として保全されていることがわかる。そのためか、この地区ではプランテーションに伴う土壌侵食はあまり問題になっていない様子であった。写真6は、急斜面で保護されている半自然林の土壌表層の断面である。適度な湿気を含み、熱帯林にしては腐植質も多く含まれていた。
<写真5> <写真6>
<写真撮影 磯谷達宏、2001年9月5日>
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