VOL.3-09 2001年09月
「沙漠の凍結坊主 」
※写真が多いので、電話回線での閲覧は時間がかかります。
沙漠・礫漠における侵食作用に、竜巻は少なからぬ役割をはたしているのだという。そんなことを思い出しながら、何本もの竜巻を眺めながらウルムチをめざして列車は西へ。途中で急停車し、沿線の防風林がゴウゴウと音を立てて揺れ始めた。「オイオイ砂嵐かよ・・・」なんだかワクワクする。
(写真1)
氷河を頂きにのせる天山山脈を遠くに見ながら、近景は砂丘という風景が続く。列車がオアシスを通過するとき、おもしろいものを見つけた。草地に見える小さなドーム状の突起である。これは凍結坊主という地形で、寒冷地に特有のものだ(写真2、3)。
(写真2)
凍結坊主の直径は数十センチから1メートル、高さは30センチ程度か。凍結坊主は、凍上しやすい細粒な表土と十分な土壌水分、冬には凍り夏に融けて草が密生しているところにできる(小畔、1999:大地に見える奇妙な模様、岩波書店)
(写真3)
写真の地域の気候表を調べる時間がなかったが、おそらく冬季に凍結し夏季に融解するような環境にあるのだろう。またそれが、天山山脈からの融雪水を引いてつくられたオアシスの水路の周辺に形成されているという、人為的な影響で形成されたものである。
<写真1〜4:いずれも1984年8月,長谷川 均
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