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VOL.4-07  2002年07月

聖都イエルサレム
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 一時は和平への道をゆっくりと歩き始めたかと思われたパレスチナ問題が、ここへきて再び緊張の度を増しています。現在、外務省から渡航延期勧告が出されており、しばらくは安心してこの町を訪れることはできなくなりそうです。ヘブライ語で「平和の都」。その名前とはうらはらに、城壁に囲まれたわずか1kmほどのイエルサレム旧市街はユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地として、これまでも幾度となく宗教間の抗争の舞台となってきました。
 写真Aは町はずれにあるオリーブ山から見た旧市街の全景です。左側にシオンの丘、右に見える黄金のドームがイスラムの聖地「岩のドーム」です。ここは世界の中心といわれ、クルアーン(コーラン)の中でも有名な件、ムハンマドの奇跡の一つ「夜の旅」が行われたとされる場所です。
 その岩のドームの目と鼻の先には、ユダヤ教徒最大の聖地「嘆きの壁」があります(写真B)。かつてダヴィデとその子ソロモンによって築かれたユダヤ人の誇りイエルサレム神殿。その破壊された跡がこれです。よく見ると銭湯のように男性用(左側)と女性用が分かれていますね。この一角に入る際には厳重なボディーチェックがあり、つねに機関銃を持った警官が目を光らせていました。
 イエルサレムはまたイエスが死んだ地でもあり、新約聖書に描かれているように十字架を背負ってゴルゴタの丘(現在は聖墳墓教会が建っている)へと歩いた全長約1kmの道は「ヴィア・ドロローサ(受難の道)」としてキリスト教徒にとって重要な聖地です(写真C)。
 イエルサレムから10kmほど南東にはイエスが誕生したベツレヘムがあり(写真D:生誕教会)、また南西へヨルダン大地溝帯を下って行くと、世界で最も低いところにある湖「死海」があります(写真E)。この湖の塩分濃度は10%。なめてみると塩辛いどころではなく、苦い、あるいは痛いと感じます。カナヅチでも泳げる湖として有名ですが、体が浮くぶんだけバランスが取りにくく、いったんバランスを失って湖水に顔でもつけようものなら失明もあり得ます。泳ぎのできる人でないと危険だ、と私は思いました(写真F)。


(撮影:1990年夏、内田 順文)

<写真A>                   <写真B>

<写真C>                  <写真D>

<写真E>                      <写真F>



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