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VOL.7-03  2005年03月

フランス南部マシフ・サントラル(中央高地)

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 IGU(国際地理学連合)の持続可能な農村システム委員会の会合が、2001年7月4日−10日フランスで開催された。 参加者はおよそ45名。 最初の2日間はランブイエの国立牧羊場で開会式と研究発表、その後はオルレアン、ブールジュを経てクレルモン フェランそしてモンペリエまでバスでの移動。 途中クレルモン フェラン大学、ミユー等でそれぞれの地域の農業・農村の現状と課題について現地の研究者や農業関係者から説明を受け、それに基づいて参加者の質問・討論形式で進められた。 フランスの南部に位置するマシフ・サントラル(Massif Central)、面積は国土のおよそ6分の1を占めているが、人口は343万人(全人口の6.3%、1982)で過去150年間位緩やかな人口減少が続いている。 地域の主たる産業は農業で、環境にも恵まれており、文化遺産も多い。

写真1.写真2.マシフ・サントラルの景観
 マシフ・サントラルは、標高はおよそ300−1000m、最も高い山はピユイ ド サンシ−(Puy de Sancy)で標高1886mである。地形的には、なだらかな台地状の山地とこれを刻む谷で構成されている。 山地は、森林・牧草地として利用され、谷筋に農地が広がり集落が立地している。 この地域は、国内に40地区ある地域自然公園(Parc Naturel Regional)のひとつに指定されている。 

写真1 マシフ・サントラルの景観 写真2 マシフ・サントラルの景観(2)
写真3 ラギオル(laguiole)のチーズ製造所 写真4 フォンデュ用のチーズを捏ねる

写真3.ラギオル(laguiole)のチーズ製造所
 ラギオルのチーズは、原産地呼称管理制度(Appellation d’Origine Controlee)に基づいて製造されている高品質チーズである。 AOCチーズの製造には、その品質を維持するために原料乳の生産条件、チーズの製造・熟成、表示など細かい基準が設けられている。 チーズの値段は、熟成期間が長いほど高い。例えば、熟成期間2ヶ月のチーズは46.40フラン/kg,18ヶ月は59.90フラン/kg。 写真中央の樽のような広告塔は、ラギオルチーズの登録商標である。

写真4.フォンデュ用のチーズを捏ねる
 フォンデュは、チーズを溶かしてパンにからめて食べる鍋料理の一種。 マントを羽織った大男が、大きな鍋に入れたチ−ズを捏ねる。 ある程度溶けたところで客にもパフォーマンスを促す。捏ねる棒を背の高さくらいまでチーズを切らずに持ち上げられると他の客が拍手をしてはやしたてる。 オーブラック(Aubrac)のホテル中庭のレストランにて。  

写真5 中世の集落:クーベルトワラード(La Couvertoirade) 写真6 中世の集落:クーベルトワラード(La Couvertoirade)(2)

写真5.写真6.中世の集落:クーベルトワラード(La Couvertoirade) 
 この地域は、地中海地域からエルサレムに至る街道沿いにあり、かつて十字軍兵士が往来した。そのため各地に兵士の宿泊所兼救護所が建設された。12世紀に建設されたクーベルトワラードは、周囲を城壁に囲まれ、内部の道路は狭く、迷路のように入り組んでいる。 建物の一部は、土産物店やレストランとして利用されており、毎年多くの観光客が訪れている。
                                         
 (2001年7月、長島 弘道撮影)



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