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VOL.9-7  2007年7月

フィリピン・ヴィラエスクデロ
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 フィリピンの観光スポットとしてよく知られているヴィラ エスクデロ(VILLA ESCUDERO Plantations and Resort)は、マニラの南東およそ90kmのサン パブロ市にある。車で高速道路を利用するとおよそ2時間。 ここは1872年にさとうきびのプランテーションとして開発された。 1890年、ドン プラシオ エスクデロ夫妻が購入し、その後ココナッツ プランテーションに転換し、今日に至っている。 農場の面積は500ha。 リゾートは、1980年に40haの農地を転用して開設された。コンセプトは、1800年代、スペイン統治時代のプランテーションを基調としたフィリピンの文化・歴史と美しい農村。 園内には、やはりココやしの木が多い。 高さは15m位であろうか、施設の境や、通路にそって街路樹的にも使われている。

   園内の施設としては、ロッジ、博物館、劇場、レストラン、会議場、チャペル等がある。 劇場では、民俗音楽の演奏や民族舞踊のショウが行なわれる。 また、テニス、水泳、ハイキング、マウンテン バイキングなども可能である。 ここの従業員は約500名、職場によって異なったユニフォームを着用している。 入園料は、月曜日-木曜日、大人1日の料金が975ペソ、4フィート以下の子どもが485ペソ、金曜日-日曜日・休日はそれぞれ1100ペソ、545ペソである。 従業員の話によると、1日あたりの入園者数は3-5月は約500人、クリスマスシーズンは約1000人とのことである。 ここの入園料は、地元の人にとってはかなり高い金額のようである。 同行していたハイスクール(就学年齢、12-15歳)の教師もはじめてと云っていた。 理由はケソンから遠いこと、料金が高いこと。  2003年に、あるアイスクリーム売り場の女性店員(30歳、こどの2人)に聞いた話では、彼女の収入は月額6000ペソ(1ペソはおよそ2.6円)とのことであった。 

<写真1>ヴィラ エスクデロ入り口の近く-道路沿いの直売所-    <写真2>エスクデロ博物館

   写真1の看板をよく見るとランブ-タン、チコ、ランゾネス、マンゴ-などの果物の名が書かれてある。 この日は、マンゴスチン(濃い赤色、割ると中に実がある)、ランゾネス(薄いジャガイモ色をした果物、指で押すと中に房状の実がある)、トウモロコシ、スイカ、ココナッツなどが売られていた。 写真右側に農地がある。

 写真2のココやしの木と16世紀のスペインの教会風の建物、園内の雰囲気がよく現れている。 1999年に訪れた時は、中央に道があり、左側にも同じ位の高さのココやしの木があった。 館内には、宗教画、銀の祭壇などが陳列され、いわば歴史・民俗博物館。

<写真3>カラバオの引く車にゆられて

 園内に入ると、最初にソフトドリンクがサービスされる。 そこから各アトラクションへは歩くことも可能であるが、まずはカラバオの引く車でゆっくり移動。後部座席では男性がギターを弾き、それにあわせて女性がフィリピンのポピュラーソングを歌う。

<写真4>滝のあるレストラン <写真5>滝のあるレストラン

 ヴィラ エスクデロの一つの売りは、滝の下、水の中に足を浸しての食事、子ども達はおおはしゃぎである。 この人工の滝は、1930年代に建設された水力発電用のダムを利用したものである。

<写真6>ヴィラ エスクデロからの帰路

   サン パブロ市郊外の幹線道路、庶民の足、トライシクルが前を走る。 12月30日、マニラおよび周辺地域で働いている人が正月を出身地・実家で迎えるために帰省する。その方面に向うバス(左側)はいずれも満員である。                            

          (写真3は1999年12月29日、 その他は2006年12月30日、長島弘道撮影)


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