VOL.9-9 2007年9月
「ロカ岬」
※写真が多いので、電話回線での閲覧は時間がかかります。
ユーラシア大陸の最西端にあるロカ岬(ポルトガル語ではCabo da Roca)(写真A).世界を7つの大陸とするとき(ユーラシア大陸をアジア大陸とヨーロッパ大陸に分ける場合)は,ヨーロッパ大陸の最西端にあたる.北緯38°47′,西経9°30′.周囲は断崖の海岸線である(写真B) ポルトガルの詩人・ルイス・デ・カモインスの詩に,「ONDE A TERRA SE ACABA E O MAR COMECA...」(ここに地果て,海始まる...)と詠われたことでも有名で,それを刻んだ石碑も置かれている(写真C).
<写真A> | <写真B> |
<写真C> | <写真D> |
さぞかし観光客も多いことであろうと覚悟して行ったが,意外に少ない(写真A;中央左の十字架のあるのが写真Cの石碑).ちょっと人が多い瞬間もあるが,それは団体客が来たときだけ(私がいたときに来たのは,日本と韓国からの団体でした).それは,観光対象として観光客の足が向かないからというよりも,風の強さがあって,観光滞在時間が短いことにもよっているように思われる(写真D;ササがなびいている様子がわかる).
岬周辺は風衝草原(風が強いために高木が生育せず草原化しているところ)となっている(写真E).写真Dに見られるように高木があるのは海岸からかなり離れたところであり,そこまではほとんど住居もない.これはGoogle
Earthの画像(上空・約5000m)からもよく分かる(写真F;左端がロカ岬).
<写真E> |
写真Dの右下,写真Eの左下に群生する植物(ロカ岬ではよくみられた)も,多肉質で光沢のある葉(オカヒジキやハママツナのような葉)であり,海から吹いてくる強風や塩分を含んだ風に耐える海岸の植物らしい特徴を有している.
写真Gの灯台もロカ岬のランドマークのひとつ.当然,この灯台付近も風が強い.この日は写真Hの左から右(海から内陸)に風が吹いており,赤いシャツの男性が風上に向かって身体を傾けながら,白い上着・灰色ズボンの男性が風に押されながら,歩いている様子が分かるであろう.皆さんも出かけるときは防風対策をお忘れなく.
<写真F> |
<写真G> | <写真>H |
<写真A~E,G~H:2007年8月,加藤幸治撮影.写真F:Google Earthより引用>
注)植物に関する記載は磯谷達宏先生から助言を頂きました.