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VOL.10-08  2008年8月

日本の路面電車事情

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 かつては道路交通の障害物とされた日本の路面電車も近年は多方面から見直されている。現在路面電車が残存している都市では都市交通機関として位置づけ、車両や施設面の改良がなされており、新線計画をもつところも少なくない。かつて廃止した都市でも復活を構想するところもある。
 LRT化を図っている岡山市(岡山電気軌道)では2007年8月に東中央町電停を新設し(写真A)市民病院への足としたが、新線実現のための調査も行った。 
写真 A 写真 B
1982年に運動公園への新線を建設して注目された豊橋市(豊橋電気鉄道)では、1998年にペデストリアンデッキ建設による駅前整備を実施した際に路面電車を駅前に延長させ、その中に取り込んで配置した(写真B・C・D)。2005年には駅前大通電停を新設した。
写真 C 写真 D
高岡市では赤字廃止の予定にあった加越能鉄道を、2002年に第三セクターで万葉線として再出発させたが、高岡駅前電停が駅前広場に位置していたこともプラスであったと思われる(写真E)。駅前広場とは道路を挟んでおり地下道での連絡となっている岡山市(写真F)では駅前広場への延伸を計画している。
写真 E 写真 F
そして現在、最も注目されているのが2006年に開業した富山ライトレール(富山市)である(写真G)。赤字ローカル線となったJR富山港線(写真H)をLRT化して成功を収めたもので、短期間での転換を可能にしたのは、市内に既存の路面電車があって(写真I)将来的にこれとの直通運転を予定していることにもよる。さらに注目したいのは、岩瀬浜駅などでホームの反対側にバス停を配置して(写真J)乗換の便宜を図っていることであり(レール・アンド・バスライド)、並行する路線バスを廃止して乗客の誘導を図った。
写真 G 写真 H
写真 I 写真 J

<写真A・Fは2007年10月、B~Dは2005年5月、E・Hは2005年8月、G・I・Jは2006年5月、いずれも岡島 建撮影>


                                              

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