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VOL.11-03  2009年03月

2008年首都圏における通勤混雑改善策

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 2008年は大都市の通勤混雑の対策となる新線や新しい試みが多くなされた年である。首都圏では3月に横浜市営地下鉄グリーンラインと新交通システムの日暮里・舎人ライナーが開通したほか、小田急ロマンスカーによる東京都心乗り入れ、6月に東京メトロ副都心線の開通、京阪神圏では10月の京阪中之島線開通などが挙げられる。
 写真AとBは3月30日に開業した横浜市営地下鉄で、JR横浜線の中山駅と東急東横線の日吉駅を結び、港北ニュータウンにアクセスする郊外路線であるが、大手民鉄日本一の混雑路線である東急田園都市線のバイパス機能も担う。丘陵を通ることからグリーンラインと呼ばれている(公募による命名)。写真Aはニュータウンの中心であるセンター北駅に停車中の車両、写真Bは同じくセンター南駅付近を走行中のものである。

写真A

写真B

写真C 写真D
 写真CとDは6月14日に開業した東京メトロ副都心線で、東武東上線の和光市駅から東京都渋谷区の渋谷駅を結び、東京の三大副都心である池袋・新宿・渋谷を縦断して、山手線のバイパス的機能を担うとともに、東武東上線と西武池袋線が相互乗り入れでこれら副都心に直結するという役割ももつ。写真Cは渋谷駅停車中の東京メトロの車両、写真Dは西武池袋線飯能行き直通急行である。
写真E 写真F
 写真Eは、3月15日より運行開始した小田急電鉄の地下鉄線直通型の新型ロマンスカーMSEによる、平日夕方の東京メトロ千代田線霞ヶ関駅に停車中の「メトロホームウェイ」で、都心と多摩ニュータウン方面を結ぶ。MSE使用の特急は、通勤客用に平日早朝の本厚木発北千住行き「メトロさがみ」、夕方の北千住発唐木田行き「メトロホームウェイ」、夜の大手町発本厚木行き「メトロホームウェイ」のほか、休日には北千住-箱根湯本間の「メトロはこね」や千代田線~有楽町線を経由する本厚木~新木場間の臨時列車「ベイリゾート」もある。
 小田急では東北沢~和泉多摩川間の複々線化事業を、東京都の連続立体交差事業とともに進めている。喜多見~和泉多摩川間は1989年着工し、1997年に高架複々線化が完成。さらに、世田谷代田~喜多見間は1994年に着工し、2004年に高架複々線化が完成した。現在では世田谷代田~和泉多摩川間で複々線での運転が可能となり、朝のラッシュ時間帯の列車だけでなく、日中の各駅停車についても、通過待ちがなくなり所要時間が短縮した。かつては大手民鉄日本一の混雑度であったが、大きく緩和されている。写真Fは梅ヶ丘駅付近の通過線を走行中のEXEによる「はこね」号、写真Gは梅ヶ丘駅停車・走行中の電車風景である。
 また駅舎も新しいデザインに生まれ変わるとともに、駅前広場の整備が行われている。写真Hは梅ヶ丘駅駅舎で本学学生や教職員が多く利用する南口、写真Iはバスターミナルが整備された北口である。さらに2004年に着工した東北沢~世田谷代田間は4線地下式(下北沢2層構造)として整備する計画となり、2013年度の完成を目指して工事中(写真J)である。
 
写真G 写真H
写真I 写真J

<写真は、いずれも2009年2月 岡島 建撮影。なお、小田急に関する記述は小田急電鉄ホームページを参考にした。


                                              

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