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VOL.12-07  2010年7月

「世田谷三軒茶屋界隈

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 三軒茶屋は、大山街道の旧道と新道の分かれ道に三軒の茶屋があったことに由来する。三軒茶屋交差点に現在も立っている道標(写真A)はその分かれ道のほとんど同じ場所に、二百年余り立ち続けている。左が新道の「大山道」右が旧道の「世田谷・登戸道」と示されている。写真Bの三軒茶屋交差点の左方向首都高が上を通るのがかつての「新道」、現在の玉川通り(国道246号線)であり、中央奥へ進むのがかつての「旧道」、現在の世田谷通りで、その間のカラオケ屋の前に(写真Aの)道標がある。三軒の茶屋以外は農村で、世田谷では現在の上町付近の方が賑わっていた。


<写真A> <写真B>
 現在の三軒茶屋は山の手の中にある下町風情の庶民的商店街として知られている。一つの要因として関東大震災後に下谷から太子堂商店街が移転したことがあると言われている。写真Cは現在の太子堂商店街で茶沢通りと交差する地点で人通りも多い。特にこの時は日曜の午後で茶沢通りは歩行者天国となっており、特に賑わっていた(写真D:西友前)。
<写真C> <写真D>
 三軒茶屋交差点近くには、シンボルとなったキャロットタワーがそびえ立ち(写真E)、その1階には世田谷線の起点駅が位置している(写真F)。キャロットタワーは、三軒茶屋駅周辺再開発事業で1996年に完成したもので、商業施設・ホール文化施設併設のオフィスビルで高さ124mある。世田谷線の三軒茶屋駅は、かつては三軒茶屋交差点付近にあったが、この再開発事業によって100m余り後退した。
<写真E> <写真F>
 世田谷通りと玉川通りに挟まれた三角地帯には狭い路地のアーケード商店街「エコー仲見世」(写真G)が1950(昭和25)年にでき、さらにその裏路地には飲み屋街(写真H)が2本平行している。さらにその奥には小さな飲み屋がひしめいており、その一角には古くからある懐かしさを感じさせる映画館「世田谷中央劇場」(写真I)がある。道路整備がなされぬままに、商店や飲食店が増えたため、複雑な路地が広がっている。
<写真G> <写真H>
<写真I> <写真J>
 玉川通りの南東側には栄通り商店街(写真J)があり、その裏側にも複雑に路地が伸び、その一角では古いアーケード商店街(写真K)に出くわす。三軒茶屋の迷路のような路地の外側にはUR都市機構によって整備された計画街路もある(写真L)。明薬通りは歩道を広く取って見通しのよい街路(写真M)に生まれ変わり、明治薬科大学の跡地を再開発して中高層の大規模マンションとした。
<写真K> <写真L>
<写真M> <写真N>
(写真は、いずれも2010年6月 岡島 建撮影。)