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VOL.15-06  2013年06月

  富嶽十二景

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 2013年6月カンボジアのプノンペンで開催されるユネスコの世界遺産委員会議での、富士山の世界遺産登録が確実になったようです。富士山は1990年代初めに世界自然遺産への登録を目指して運動を繰り広げましたが、その後登録の可能性が低いことから一度は世界遺産リストへの登録申請を取り下げたという経緯があります。今回の再挑戦については、以前と同じ自然遺産としてではなく、新たに世界文化遺産としての登録を目指したことが、最大の勝因と言えるのではないでしょうか。
 今回は世界遺産登録を記念して(?)、さまざまな富士山の風景を紹介したいと思います。 
   

写真1 

    写真2 
 まずは山梨県側から。写真1は、もっともポピュラーな河口湖越しの富士山の姿。富士山の山体は完全な円錐形ではないので、見る角度によっては、きれいな左右対称の山形にはなりません。その点、山梨側から見る富士山の形は、かなり整っているのが特徴です。写真2は、富士山展望の代表的な場所である三つ峠山から見た夏の富士。ここから見る富士山の山容は本当に整っています。写真3は、大月市にある岩殿山頂からの眺望。大月市街からは富士山の頭しか見えませんが、300mほども上ると、富士の山体が見えるようになります。写真4は、富士川の中流付近にある鰍沢からの眺め。
   
写真3  写真4  
   
 写真5     

写真6 

 これに対し、静岡県側からの富士山は山形の面で多少景観が劣りますが、南側から富士を仰ぐため、基本的に順光で見ることができるのが長所です。写真5は三島市内に多数ある湧水池から見た富士山。三島や沼津あたりからだと愛鷹山が前景を遮るために、富士山の全体像を見ることができませんが、それはそれでまた趣があります。写真6は、歌枕としても名高い田子の浦で、江戸時代の東海道の吉原宿にあたります。現在の富士市から望む富士山も、かつて山部赤人が詠んだように見事な山形ですが、山麓には御覧のように工場地帯が広がり、昔の面影をしのぶことはできません。写真7は、東海道をさらに上ってかつての由比・興津間の難所であった薩陀峠よりの眺めです。ここは現在でも交通の難所で、東海道本線・国道1号線・東名高速道路がひしめき合って並走する奥に富士を望むという、有名な風景でもあります。      
 
写真7      写真8 
 山梨・静岡以外から見た富士山も2枚紹介します。写真8は元箱根から見た富士山。よくポスターなどに使われる構図ですが、元箱根の港付近には障害物が多いため、この構図を撮ることは意外と難しいものです。写真9は、はるかに離れた長野県北アルプスの槍ヶ岳頂上より見た風景。はるか彼方の雲海の上に富士山が小さく頭を出しているのがわかるでしょうか。
 近年、(中高年の)登山ブームとかで、夏のシーズンの富士山は連日たいへんな人混みです(写真10)。おかげで(?)以前と比べると登山道も整備され、道幅も広がり、ずいぶんと歩き易くはなっています。目指すは日本最高地点3776mの剣ヶ峰(写真11)。この頂上には、かつて測候所のドームが設置してありました。
   
 
 
写真9  写真10 
 最後に紹介するのは、飛行機から撮った一枚です。羽田から大阪・四国・九州方面へ向かう航空路が富士山の南側を通っている(西日本への航空路は伊豆半島を通るものなど他にもある)ので、便によっては(かなり高い確率で)富士山を上空から見ることができます。  
 
写真11 
写真12 
写真1~12,内田順文 撮影
                                           

                                              

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