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VOL.15-04  2013年05月

  伊予の小京都・大洲のランドスケープ

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 大洲市(おおずし)は、愛媛県西部を北西方向に流れて瀬戸内海に注ぐ一級河川・肱川(ひじかわ)の、中~下流域に位置する市である。写真1は、肱川下流部において河口側を望んだ様子である。このあたりは中央構造線のすぐ南側にあたるので、付近の地形は西南日本外帯に属する四国山地である(写真2)。
   

写真1 肱川下流部・河口側の様子

    写真2 四国山地を刻む肱川の下流部
 大洲の町は、肱川が中流部にて大きく曲流しつつ主要な支流と合流する大洲盆地の一帯に発達している(写真3)。そしてその中心に位置するのが、肱川の屈曲部の頂点付近に位置する大洲城である(写真4)。
   
写真3 大洲市中心部の様子 写真4  写真3 大洲市中心部の様子
 現在の大洲城は近年になって再建されたものであるが、伊予の小京都・大洲を象徴するランドマークとなっている(写真5)。大洲城付近の肱川沿いでは、古くから城下町として発達してきた町並みがみられる(写真6)。この付近では夏には鵜飼いが行われ、屋形船で賑わうとのことである。
   
 写真5 再建された大洲城    

写真6 肱川沿いに発達した城下町

         
         
 写真7は、水量豊富な肱川側から大洲城を望んだ様子である。大洲の町のもう一つのランドマークといえるのが、市街地近くにたたずむ冨士山(とみすやま、標高319.6m、別名:大洲富士)である(写真8)。このように大洲は、大きく曲流する豊かな肱川、河畔にたたずむ大洲城、城下を見下ろす冨士山といった特徴的な景観要素に富んだ町で、全体としてもきわめて個性豊かなランドスケープの町である。
写真7 水量豊富な肱川と大洲城     写真8 大洲のシンボル冨士山
         
         
 写真9は、大洲城の北側で肱川を渡るJR予讃線の様子である。内陸盆地にあたる大洲の町は、霧が発生しやすいことでも知られている(写真10)。 
写真9 肱川を渡る予讃線 写真10 霧の大洲盆地
         
         
 肱川中流付近の低標高域の里山では、常緑広葉樹と夏緑広葉樹が混交する雑木林が広くみられる。写真11はその一例で、ここでは尾根筋を中心に常緑広葉樹のコジイ(写真12)が多く見られた。
写真11 肱川中流沿いの里山
写真12 コジイの堅果
         
         
 大洲市内の里山でも標高200~300mになると、常緑広葉樹が減って夏緑広葉樹の優勢な二次林(コナラ二次林、写真13)が多く見られるようになる。また、写真14は肱川流域上流部の河辺植生の様子で、四国の多くの河川と同様にツルヨシ1種が優占する群落が広く見られる。     
         
写真13 標高のやや高い地域でみられる夏緑広葉二次林      写真14 ツルヨシが優占する上流部の河辺植生  
         
写真1~14:2012年10月,磯谷達宏 撮影
                                           

                                              

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