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VOL.18-07  2016年07月

  「死海沿岸のシンクホール(陥没孔)-ヨルダンの事例-

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 最近日本のマスコミでも取りあげられるようになったが、死海周辺にたくさんの陥没孔が出現している。特に、イスラエル沿岸で多いという。マスコミの報道によれば、イスラエル側では 既に3000個以上の陥没孔があるといわれている。
 1970年代以降、死海の湖面は急速に低下を始めた。それに伴って陥没孔も数を増やしていった。湖面低下の理由はいくつかある。まず、流入するヨルダン川の流量が減少しているこ とがあげられる。農業用水確保のため、ヨルダン川からの取水が増加していることが理由のひとつである。一方で化学工場と化した死海南湖では、北湖から水を汲み上げ、蒸発池で水 を抜いた後、溶け込んでいる化学物質を採取している。これらの影響で死海の水位は年1メートルほどの割合で低下している。現在の湖面高度は海抜-420~-430mであるという。
 陥没の原因は、次のように説明されることが多い。湖面低下に伴って隣接する高位にある地下水が移動し、あるいは帯水層から地下水が移動することで地層中の塩分が流出し空洞ができる。空洞は上部を支えることができなくなり陥没する・・・。地下水位の低下に伴う空隙の生成、拡大により地表が陥没するというのが一般的な説明である。
 2015年の夏、たまたま死海西岸の村に宿泊する機会がった。資源エネルギー庁のフィールドセンターに宿泊した。近くにあるから見に行こうということで、リサン半島の近くへ行った。私たちが見たのは、かつての農地の跡地である。いくつかの陥没孔ができ、それがつながるカタチで拡大しているところもあった。汀線近くにもごく新しいものがありそうだったが、怖くて近づけない。こ一時間の観察を終えて現地を後にした。
画像1 死海周辺
グーグルアースの画像に当日のルートマップを(GPSロガーを使用)
死海南湖は蒸発池となってしまっている
                            画像2  
2004年の画像この頃はまだナツメヤシの林があった、ヤシ林の東(上記写真の右に見えるため池は、2010年には水が抜けているように見える)
(緑線は2015年に歩いたルート)
画像3  
2010年の画像
(緑線は2015年に歩いたルート)
写真1
写真2
                
 
写真3  左上方にスケール(人物)がある
写真:2015年8月 長谷川均撮影

                                              

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