VOL.20-09 2018年9月
「メテオラの修道院群
内田 順文
※写真や画像の引用に関する問い合わせは、こちらのリンク先ページをご覧下さい。
「今月の衛星画像」 を見る
メテオラとはギリシャ語で「宙に浮く」を意味する言葉に由来します。ギリシャ北西部のテッサリア地方に位置し、奇岩群という地形とギリシャ正教の文化的景観から、1988年に「メテオラの修道院群」の名称で世界遺産(複合遺産)に登録されました。 | ||||||||
写真1:カランバカとメテオラの遠景 | 写真2:聖トリアダ修道院より見たカランバカ市街 | |||||||
メテオラ観光の拠点は、カランバカになります。アテネ〜テッサロニキの幹線の途中にあるパレイオファルサロスでローカル線に乗り換え、小一時間ほど乗車し列車が終点のカランバカに近づくと奇岩群が遠くに見えてきます(写真1)。 メテオラには、カランバカとカストラキという二つの街が隣接していますが、今回はカランバカから反時計回りにメテオラの修道院群を見ていきます(写真2)。 |
||||||||
写真 3:聖トリアダ修道院 |
写真 4:聖ステファノス修道院 | |||||||
カランバカの街を見下ろす位置に立つ、1476年創建の聖トリアダ修道院です(写真3)。左側に物資を運ぶためのロープウェイが見えます。こちらは聖トリアダ修道院に隣接する、1367年創建の聖ステファノス修道院です(写真4)。現在は女子修道院となっています。 | ||||||||
写真 5:メテオラ奥部より見た奇岩群 |
写真 6 :ルサヌウ修道院 | |||||||
山道をどんどん登っていくと、メテオラの奇岩群の裏側に回ることができ、このあたりがメテオラの最奥部になります。この景観は、長い年月をかけて谷の浸食が進み、固い砂岩の地層が削り残された結果生じたものです(写真5)。次の写真は、同じくメテオラの奥部より北西方向を望んだところ。手前にあるのが13世紀後半に建てられたルサヌウ修道院で、右奥にはヴァルラアム修道院が見えます(写真6)。 | ||||||||
写真7:ヴァルラアム修道院 |
写真 8:メタモルフォシス修道院 |
|||||||
北側の奇岩群には、重要な修道院がいくつか集まっています。1517年創建のヴァルラアム修道院は、隠修士ヴァルラアムの隠所跡に建てられた修道院で、現在も修道士たちが生活しています(写真7)。メタモルフォシス修道院はメテオラ最大の修道院で、「幅広の岩」の頂に建っています。1490年からはメテオラの全修道院を統括し、メガロ・メテオロン(大メテオラ)とも呼ばれました(写真8)。 | ||||||||
写真 9:メタモルフォシス修道院よりの眺望 |
写真10:カストラキの街から見た奇岩群 | |||||||
こちらは、メタモルフォシス修道院より見たカストラキの街です(写真9)。メテオラを一周して坂を下りると、そこはカランバカよりも一回り小さなカストラキの街になります。これはカストラキからメテオラの奇岩群を見たところ。(写真10)。 | ||||||||
|
||||||||