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VOL.22-04  2020年04月

  京王線沿線の不思議と謎(7)

岡島 建

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   今回から数回、京王線各駅の駅前や駅周辺の整備や開発の状況について、取り上げる。今回は、世田谷区北部の中心駅である千歳烏山駅である。京王線は高架化事業が進められているが、千歳烏山駅付近ではほとんど用地買収の段階である。
 写真Aは東口改札でホームから段差なく外に出られるが、駅前は狭い路地である。写真奥に停車中の車列は踏切(写真B・C)待ちの車である。写真Bの右手が駅東口で踏切待ちが長いため、歩行者・自転車用横断通路が設置されている(写真中央)。
 
   
  A
B  
       
   
  C
D
 
   駅前商店街の北側には世田谷区の烏山図書館・出張所等の公共施設(写真D)があるが、周囲は建物密集地である。
 その北側に旧甲州街道が通り、そこに千歳烏山駅北口のバス停がある(写真E)。駅から200mほど離れているが、小田急バスのターミナルはマンションの1階部分(写真F)という珍しいものである。
 
     
 

     E

 F  
   写真Gは西口改札で、ホーム下の地下にある。階段を上がった地上出入口(南側)が写真Hである。高架化事業のため、駅前の用地買収は進んでいる。  
       
  G H  
   西方から駅を見たのが写真Iで、現在は準特急停車駅にもかかわらず、上下各1本のみの対面式ホームとなっているが、新駅は島式ホーム2面4線の大きな駅になるので、写真中央のフェンスが駅際となり、中央右手の道路は高架下道路となる。  
   
  I J  
   写真Jは千歳烏山駅南口バス停で道路脇にある。このように現状では駅の周辺が密集市街地であるため、バスターミナルは駅から100〜200mほど離れた道路上となり、利用者には不便である。
 新宿駅をはじめとするJR(旧国電)の駅では、都市計画と一体的に駅前広場が整備されてきたのに対し、私鉄ではそのようなことがなく、都市化が進んだため、中心市街地では主要駅でも駅前広場の無いところが多い。近年の高架化(立体交差化)事業によってようやく整備がされている。
 図1・2は東京都・世田谷区が示している計画図とイメージ図である。図1の青い部分が駅前広場で、新設される幹線道路につながり、バスターミナルも統合される予定である。ただし、写真Cの踏切向こう側が駅前広場の予定地であり、かなり時間がかかりそうである。
 
   
   
  図1 図2  
  (写真A〜Jはいずれも2020年3月岡島 建撮影、図1・2は世田谷区HP掲載図の一部)  
 
     

                                              

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