VOL.22-12 2020年12月
「雨季のニジェール
桐越仁美
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アフリカ大陸のサハラ砂漠の南縁には、サヘル帯が広がります。ニジェール共和国(以下ニジェール)もこのサヘル帯に位置する国のひとつです。私の調査する農村もサヘル帯に位置しており、年平均降水量は約450mmです。大地を潤す雨が降るのは、1年のうち4ヶ月だけ。乾燥し、全体に黄色や茶色が多いニジェールですが、雨季の4ヶ月間は緑が溢れます。今回は、人も動物も植物も活気に満ちるニジェールの雨季を紹介します。 |
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写真1 豊富な水をたたえるニジェール川 |
写真2 畑仕事 |
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全長4,180㎞のニジェール川は、西アフリカの国々に水や肥沃な土壌をもたらします。 |
朝、人びとはまだ薄暗いうちから畑に向かい、除草作業をします。日が昇りきって気温が高くなる前に仕事を終えて、家に戻ります。 | |||||||
写真3 トウジンビエ畑 |
写真4 家畜の放牧 |
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ニジェールの人びとの主食のひとつ、トウジンビエ。穀粒を製粉したものをお湯で練りあげ、「練り粥」と呼ばれる料理にします。できあがった練り粥は、手で食べやすい大きさにちぎり、スープにつけて食べます。 | 作物が植わっている畑を避けるようにして家畜を放牧する牧夫。器用に家畜を誘導して、水飲み場の池まで連れていきます。 | |||||||
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写真5 午後の豪雨 |
写真6 涸れ川 | |||||||
日中の気温上昇によって生じた雲が、短時間の激しい雨を降らせます。みんな屋根の下に避難しますが、なかには土砂降りのなかバイクを走らせる人も。 | 村の横の涸れ川。雨季の降雨の時にだけ水が流れます。 | |||||||
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写真7 雨のあと | 写真8 いつもの日差し | |||||||
庭にも無数の小さな川が。雨の後は空気がひんやりして少し肌寒いです。 | 雨の後、しばらくすると強い日差しが戻ってきます。 | |||||||
写真9 仕事帰り | 写真10 地平線 | |||||||
畑仕事を終えた女性は、畑の中で乾燥させておいた薪を頭に乗せて帰宅します。家に戻ったら夕食の支度が始まります。 | インゼルベルグから見下ろした村。遥か向こうまで続く黄緑色のカーペットは、すべてトウジンビエ畑です。 | |||||||
<写真1〜10: 桐越仁美 撮影 |
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