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VOL.23-08
  2021年08月

  アントワープ
加藤 幸治

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 アントワープ中央駅は世界で最も美しい駅(のひとつ)と言われます.
 写真1のような写真が,アントワープ中央駅の豪華さ・美しさをあらわすものとして示されていることが多いですが,手前が街側で,奥がホームのある構内です.反対側(ホーム側)から見るとこんな感じ(写真2).より離れてみると,綺麗な駅舎のすぐそばにまで電車が近づいているのが分かります(駅だから,当然といえば当然ですが:写真3).駅を外から見るとこんな感じです(写真4).                       

   
 写真1  写真2


   
 写真3  写真4


   
写真5  写真6
  アントワープといえばダイヤモンド取引の世界的中心地として有名です.駅の横にもダイヤモンド商の店が並ぶ一角が(写真5).(泊まった)ホテルにもダイヤモンドやその他のブランド品店の紹介パンフが置いてあったりします(写真6).

   
 写真7  写真8
  とはいえ,日本でアントワープといえば,「フランダースの犬」の舞台であることを思い出す人の方が多いでしょう.写真7は主人公ネロが最期を迎える教会・ノートルダム大聖堂.写真8はネロが最期にようやく見られることになるルーベンスの「キリスト降架」.

   
 写真9  写真10
 教会の外にはパトラッシュとネロのモニュメントもあります(写真9).「フランダースの犬」の原作は英語で,ベルギーではほとんど知られていなかったが,日本人が多く訪れることで有名になったとか.でも,今では日本人以外にも大人気!(は言い過ぎかな?;写真10) .それにしても,ちょっとゆるキャラ感が強すぎる気も(笑).

   
 写真11  写真12
 モニュメントのそばには「フランダースの犬」の説明の銘板も(写真K).銘板にはモニュメントの設置に周大生なる人物の貢献が大きいことも記されてます(写真L).穿った言い方をすれば,ダイヤモンドの中国輸出などで大儲けした人が多額の寄付等してくれただけということのようです.
 やはりアントワープはダイヤモンド取引の街なのだ,というところでしょうか.
 
追:アントワープは英語の呼称なので,最近では地図帳などでも現地語(オランダ語)の呼び方(に近い)・アントウェルペンを当地の地名としていますが,「フランダースの犬」の話も出るので,日本での古くからの通称であるアントワープをここでは用いています.

(写真1~12:2018年8月,加藤幸治撮影) 


                                              

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