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VOL.25-01
  2023年01月

  南回り空路でチューリッヒへ(その1)」

加藤 幸治


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 2022年8月.スウェーデンのストックホルムで在外研究中の鍬塚賢太郎先生(龍谷大学)を訪ねるべく,スウェーデンに行きました.羽田・ストックホルム直行便が2020年6月に就航予定でしたが,新型コロナの影響で就航延期となり,また現在,直行便はないため,乗り継ぎ便で行きました.検索の結果,たまたまスイス・チューリッヒ経由便が安かったので,それに搭乗しました(写真1).この成田発チューリッヒ行・LX161便には何度か乗っているのですが,今回はいつもと違って「南回り」となりました.そう,ロシア上空が空路封鎖されているためです.ウクライナ紛争の直接的影響というところです.
 そのためか就航機材はB777-300ERでした(と思う).航続距離の長い飛行機として知られています(写真2).(もっともウクライナ紛争以前からもこの機体だったかもしれません.そこはちょっと曖昧ですが,航続距離が長い機体であることは確かです)
 飛行予定時間は機内アナウンスによれば14h45mとのこと.いつもの1.5倍近く掛かります.そのためパイロットは3人体制とのこと.新型コロナで大きな影響を受けている航空業界ですが,ウクライナ紛争がさらに追い打ちをかけられているがごとしです.
 

     
写真1     写真2 
 
     
 
   
写真3     写真4 
     
     
   いつもは新潟を抜け,ウラジオストックあたりに北上していきますが,今回は最初から西に向かいます.富士山も見えます(写真3).羽田・福岡便のような空路を行きます(写真4).
 
 
写真5     写真6 
  朝鮮半島を縫うように進み,ホワンハイ(黄海)を超えて,シャントン(山東)半島に最短で向かう形になります(写真5).写真6はボーハイ(渤海)最奥部・北京手前(ティエンチン(天津)付近)の工業団地と湧水池(貯水池)らしきものを上空から見た風景. 
     
 写真7     写真8 
  中国に入ってからも,ところどころで曲がる複雑な空路で飛んでいきます(写真7).ランチョウ(蘭州 Lanzhou)あたりからはシルクロード上空を行く形で,チンハイ(青海)湖,ハル(哈拉)湖の北を通ります(写真8:ちょっと手ブレです).したがってチーリエン山脈が左下に見えます.山岳氷河がはっきり見られます(写真9).写真10はチーリエン山脈の西端あたり.位置としては写真11の付近です.このあたりからは遠くに,カラコルム山脈へと続くクンルン(崑崙)山脈(だと思う)も見えます(写真12).


 この辺までで6時間以上を費やしていますが,まだ先の長い旅です.なので,続きは次回ということにします.

     
 写真9    写真10 
     
 写真11   写真12

写真1~12:2022年8月,加藤幸治撮影



                                              

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