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VOL.25-10
  2023年10月

  インド・プネ(郊外)

長島 弘道

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 2002年,ムンバイープネ間に高速道路が開通した.距離は160km,所要時間は3時間30分.それまではおよそ6時間を要したので約半分に短縮された.ムンバイとの時間距離が短縮されたので,プネ都市圏でもその沿線にそって,IT関連企業,ホテル,教育機関,複合スポーツ施設,住宅地などの開発等が進められるようになった(注1).今回,我々がプネで宿泊したホテルは,2008年開設,高速道路から1㎞に立地.鉄道の駅から17km.周辺には商業施設を中心に開発された地区が複数ある.
 滞在期間中に,ホテルの周辺を歩いてみた.この地区の開発は,1980年代に始まったようである.道路沿いに植えられている木の大きさを見ても,ここ20~30年くらいの開発であるらしいことが推測される.既に廃業した施設もある.

 
 写真1 不動産の広告   写真2  RADHA ホテル
“Where Excellence takes shape”.“素晴らしさが実現するところ”の5物件という意味であろうか.写真は,5か所の開発地区・物件のイメージ.今回,我々は,タクシーをチャターしてムンバイからプネに向かった.その沿線でもこうした大きな広告の看板をいくつも見た(注2).なお,所要時間はトヨタのイノアで3時間.ドライバーは,その日の朝,プネからムンバイのホテルに来たとのこと.    開設年次:1980年.右手広告にレストラン,バー&ロッジとある.
レストランでの軽い食事:オムレツ(40ルピー)+ペプシコーラ(20ルピー),計60ルピー(120円). 
 
 
 写真3 車の販売・修理   写真4 開発予定地
 B.U.Bhandari :1929年創業,当初は砂糖,石油,自動車を扱う.1969年に自動車販売を事業の主体とする.現在は,メルセデス・ベンツ,フォルクスワーゲン,GM等の外国車およびオートバイを扱う(インターネット検索).近くにはTATA MOTORSもある.   既に境界の石組みは完成し,有刺鉄線で囲まれている. 
     
 
 写真5 開発予定地の見張り小屋   写真6  開発予定地の暫定的利用か
 “ Real Estate”と書かれた敷地の中に小さな小屋がある.これもひとつの仕事.家族で住んでいる.   岩石のある草地での牛の放牧.これは本来の土地利用か,それとも開発予定地の暫定的利用か.
有刺鉄線で囲まれていること,周辺の農地利用状況から推測すると後者であるように思われる(未確認).黒い山羊も放牧されている. 
     
 
 写真7 ロードサイドの景観(1)   写真8  ロードサイドの景観(2)
 左の農地の土地利用,トウモロコシであろうか.   タマリンドの大木の木陰で寛ぐ人たち.彼らは,バイクや車で来ている.ゆったりとした時間が流れているようである.右隅のバイク,荷物をめいっぱい積んでいる. 
     
 
 写真9 ロードサイドの景観(3)    写真10  ロードサイドの景観(4)
典型的なロードサイドの雑貨店.大木の枝が日除けになっている.左,“街路樹の下で携帯を操作する若い女性”といった構図であろうか(注3).   比較的新しい店舗.右:衣料品店.店内には靴を脱いで入るようである.左:自動車修理工場. 
     
注1 開発事例
・Rajiv Gandhi Infoteck Park & Business Park開設:開発年次:2003年.面積:1120ha.開発主体:マハラシュトラ産業開発公社(Maharashtra Industrial Development Corporation)
・Balewash Sports Complex:1995年に開設.2006年に施設の改修,面積も63.2ha.に拡大. 2008年にYouth Commonwealth Games 開催(いずれもインターネット検索).
注2 会議終了後,列車でムンバイに移動したが,沿線には不動産等の広告は殆どなく,農村風景が展開されていた.
注3 2009年12月のインドにおける携帯電話加入件数5億604万件,普及率44.7%,日印協会(インターネット検索) 
 (写真1~10 2009年12月14日 名誉教授 長島 弘道 撮影) 
       



                                              

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