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VOL.26-01

  2024年01 月

  南アフリカ(2)ケープタウン、ステレンボッシュ

桐越 仁美

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 ケープタウンは、南アフリカ共和国の首都の1つで立法府がおかれています。アフリカ最南端の港湾都市としても有名で、喜望峰の基部に位置しています。ケープタウンの町はテーブル山(標高1086m)の麓にあってテーブル湾に面しています。1488年に最初のヨーロッパ人が来航して以来、テーブル湾はヨーロッパ人がインドや東南アジア、東アジアに航行する際の重要な寄港地となりました。現在でも同国第一の貿易港であり、市内はオランダ、イギリスの植民地時代のヨーロッパ風の重厚な建物がみられます。ケープタウンの沖合12㎞には、ネルソン・マンデラ氏が政治犯として18年間にわたり収監されていたロベン島が浮かんでいます。ロベン島は1999年世界遺産に登録されました。
  また、郊外には1906年に建設された「Yokohama」と呼ばれる家屋があります。現在でも住居として使われていますが、パピエマシェ(紙粘土)でつくられており、建材は日本から輸入されたと伝えられています。

 

写真1 テーブル山の麓に広がるケープタウンの町

 
 

写真2 テーブル湾に望むケープタウン・スタジアムと沖合に浮かぶロベン島

 
 
 写真3 ヨーロッパ風のケープタウンの町  

写真4 喜望峰からケープタウンにもどる道沿いにあるYokohamaハウス

 この地域は地中海の気候に似た温帯の気候風土をもちます。ケープタウンを中心に植物保護区が8か所設けられており、5000種以上の固有種を含む8000種もの植物がみられることで知られています。2004年には世界遺産(自然遺産)に登録されました。また、この地域にはケープペンギンが生息しています。アフリカ南部沿岸地方だけに分布する中形種で、島の岩の下などに巣穴を掘って営巣します。
     
 

写真5 町のすぐ近くの砂浜に集まるケープペンギン

  写真6 人を怖がらず、足元まで寄ってきます
 ケープタウンから東にいくと、ステレンボッシュがあります。ここには南アフリカ共和国を代表する著名なワイナリーたちが軒を連ねています。歴史あるワイン産地で、ここでブドウの植樹が始まったのは、移民によって開拓された17世紀後半とされています。現在では、同国全体の約20%のブドウがこの地に植えられているそうです。ワイナリーのなかには日本人が経営するワイナリー「スターク・コンデ」もあり、日本人観光客をはじめ、多くの観光客の人気スポットとなっています。
  またステレンボッシュは南アフリカ共和国で二番目に古い街であり、国内でも非常に治安の良い地域で、文教都市として知られています。ステレンボッシュ大学はStellenbosch Gymnasiumとして1866年に創立した後、1918年にStellenbosch Universityとなった国立大学で、南アフリカで最もレベルの高い大学の一つです。大学内の表記には、公用語の一つであるアフリカーンス語(オランダ語を母体に、周辺の言語のまざったもの)が用いられています。
     
 
 写真7 ガイドさんがブドウ生産について教えてくれます  

写真8 日本人が経営するワイナリー「スターク・コンデ」

     
 
 写真9 ステレンボッシュ大学  

写真10 ステレンボッシュ大学構内を学生さんが案内してくれます

 (2017年 桐越 仁美 撮影)
       



                                              

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