^


Back Number をみる

VOL.26-10

  2024年10月

  南米ペルー,首都リマからクスコへ

佐々木 明彦

※写真や画像の引用に関する問い合わせは,こちらのリンク先ページをご覧下さい.

「今月の衛星画像」 を見る


 アンデス高地の地形システムの研究をしようと専修大学の苅谷愛彦先生に誘われて,2004年の夏にペルーでの調査に参加した。ペルーの首都リマで調査の準備を整え,高原の都市クスコへ空路で移動した。標高の高いクスコに降り立つと,かなり息苦しく感じた。翌日からの調査に備えて身体を高度順化させるため,クスコの街を歩いた。今回の地理写真ではそのときに見た街の様子などを紹介する。

 
 

写真1 調査の準備をするために首都リマに数日滞在し,リマの南西部プエブロ・リブレにあるペンションに宿泊した。街には小さな公園が多く見られ,閑静な住宅地であった。

  写真2 地形図を購入するために国立地理研究所を訪れた。ここで縮尺10万分の1の地形図を5図幅購入した。1図幅の価格は当時のレートで約700円であった。
 
 

写真3 リマからクスコに国内線で移動。眼下にはアンデスの山々が見える。リマからクスコには1時間ほどで到着できる。

  写真4 クスコの空港に到着。標高3310 mの空港に降り立つと,かなり息苦しかった。高度順化のため夕方まで市内を歩いたが,なかなか慣れず,その夜はあまり眠れなかった。
   
 
写真5 市街地の南東方向には,聖なる山,アウサンガテが聳える。  

写真6 クスコの街は比高500~700mの山に囲まれた盆地にある。街の中心にあるアルマス広場は,インカ帝国時代にも街の中心の広場だったところで,スペイン人征服者による街づくりも広場を中心に始まった。

     
 

写真7 アルマス広場とカテドラル(クスコ大聖堂)。カテドラルはアルマス広場に面するように,インカ時代の神殿の跡に100年かけて建てられた。現在のアルマス広場の周囲には観光客向けの商業施設が集まっている。 

 

写真8 ラ・コンパーニャ・デ・ヘスス教会もまた,インカ帝国の皇帝の宮殿跡に建てられ,やはりアルマス広場に面している。いまの建物は1650年の地震被害の後に建て替えられた。

     
   
写真9 アルマス広場に続く周囲の道沿いでは,スペイン人征服以降に建てられた様々な建物の下にインカ帝国時代の石組みがみられる。   写真10 12角の石。アルマス広場から小道を200 mほど進んだところにあるインカ時代の石組みのひとつ。インカの石組みは石と石とが「カミソリの刃も通さない」といわれるほど寸分の隙も無く積まれている。地震の発生によってスペイン人征服以降の建物が倒壊してもインカの石組みはビクともしなかった。 
     
写真は2004年7月16・17日に佐々木明彦が撮影した

3

       



                                              

今月の地理写真バックナンバー