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VOL28-4
2026年4月
「南米ペルー,マルカパタ村」
佐々木 明彦
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| アンデス高地の地形システムを明らかにすることを目的に2004年にペルーアンデスを訪れた。アンデス山脈東山系東側のアマゾン川流域は,水平距離100kmあまりの区間で標高差が4000mにおよぶ。つまり,この地域ではごく狭い範囲で氷雪帯から熱帯までの多様な自然景観がみられることになる。今回の地理写真では雪氷帯から熱帯に至るまでに見た自然景観などについて紹介する。 |
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写真1 標高4,730 mのワヤワヤ(huaylla huaylla)峠付近は,氷食高原となっている。浅い圏谷には氷河湖がみられ,湖岸ではリャマやアルパカの放牧が行われている。 |
写真2 同じく,ワヤワヤ峠付近の景観。ケチュア語を話す先住民はこの高度帯に家畜番小屋をつくり,リャマやアルパカの牧畜を営む。 | |||
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| 写真3 アラス川上流部の氷食谷の景観。奥側が谷の下流側で,右岸の谷壁にはラテラルモレーンがみられるほか,谷底には氷河後退後の段丘地形や沖積錐がみられる。 |
写真4 ワヤワヤ峠から少し下って,標高4000mくらいから標高3000mくらいまでの高度帯にはジャガイモの耕地が広がる。先住民は耕地周辺に出作り小屋を設け,栽培方法や収穫期を異にする多様な品種を栽培している。 |
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写真5・写真6 マルカパタ村の中心地であるプエブロ・マルカパタは標高3100m付近に位置する。この付近の地形はアラス川が侵食してつくった深い峡谷となっており,狭い尾根や地すべり移動体の上に集落がみられる。プエブロの住民の多くはメスチソである。先住民はこれより高所に居住し,標高4000mから2000mの区間において耕地の周辺に出作り小屋を設け,標高に応じた農業を行っている。年平均気温は約12℃,年降水量は1100 mmほどである。 |
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| 写真7 プエブロ付近の斜面。写真の中央には地すべり(岩盤クリープ斜面)がみられ,地表面は階段状の耕地となっている。写真中央が標高およそ3000mで,それより上方ではジャガイモが,下方ではトウモロコシがそれぞれ栽培されている。 | 写真8 プエブロからアラス川の下流側を見る。谷壁には地すべり地形がみられ,また沖積錐が谷底に形成されている。アラス川に沿う道路はペルーとブラジルとを結ぶインターオセアニックハイウェイの一部で,アマゾンの低地に続く。この当時は未舗装であったが,現在は舗装道路となっている。 | |||
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| 写真9 ケチュア語でpapa(パパ)とよばれるジャガイモは,とにかく数多くの品種がある。一説には数千種類もあるらしい。多くの品種を同じ畑で栽培することで病気による全滅を防いでいる。 | 写真10 標高600mのキンセミルの街はアラス川がつくった段丘面上に展開している。街の背後にはさらに高い段丘面もみられる。 | |||
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| 写真11 キンセミルを流れるアラス川は,扇状地を開析して網状に流れ,広い氾濫原をつくる。キンセミルの年平均気温は約22℃,年降水量は6000mm以上であり,植生は熱帯雨林の様相となる。 | 写真12 キンセミルにみられる住居は,高温多湿環境を考慮して高床式の住居になっている。この地域では入植者によってコーヒー栽培やバナナの栽培が行われている。 | |||
| 写真は2004年7月に佐々木明彦が撮影した。 | ||||