<カリキュラム改訂に関する地理学教室スタッフの考え>
科目名称、配当学年などを変更するにさして、今後の地理学教室の行うべき教育に関して、2000年後期以降スタッフで何回も話し合いを持ち統一見解を持って作業に取りかかりました。大学教育にたずさわる場合、社会とは距離を置き、学問のための学問に専念しようという立場もあるかもしれません。しかし、「地理学は現実の社会に視野を広げ、そこにある状況に責任を持たなければならない」と地理学専攻のスタッフは考えました。そうでなければ、地理学という学問の発展は望めないと私たちは考えました。
ただ、地理学は近年その学際的性格から環境科学と密接な関わりを持つようになってきました。このような現状を考え、また他大学の動向に注意を払いながら、基本的には半期制(春期・秋期)2単位で組み、最近の学問の動向を取り入れた新しい地理学教室のイメージを作り上げるべく、カリキュラムを組みたてました。
5つの科目群から構成された94科目は、それぞれ体系的に配置されています。これらの構成には、2年以上の時間をかけ、十分検討されたものです。また、新カリキュラムの科目名称は、とりたてて斬新とか、目新しいとか、受験生受けをねらったものではありません。従来の科目の講義内容を検討し、内容に即した名称に付けなおしたところ今回のような科目名称となったものです。ただ、上述したように、「環境」というキーで関連付け、また近接する学問分野の最近の動向にならって科目名称を考えてあるため、従来の地理学専攻の各科目の名称とはかなり異なったという印象を与えるかもしれません。しかし、仮にそのような印象を持たれたとしたら、新しい地理学に対する私たちの姿勢のあらわれであると思います。
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授業科目名 |
必選 単位 |
教職課程 区分 |
年 次 |
春 秋 通 集 |
授業内容の要旨 |
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必 修 |
選 択 |
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自然環境科目群(15科目30単位) |
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自然地理概説A |
2 |
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社・歴 社免歴免必修 |
1 |
春 |
人間の生活環境のうち、自然環境について、その構成要素をシステム(生態系)として理解させる。生態系の中でエネルギーや物質(水など)が循環していることを理解させる。エネルギー収支・水収支という考え方の基礎を教える。 |
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自然地理概説B |
2 |
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社・歴
社免歴免必修 |
1 |
秋 |
地球上の様々な自然環境のなかで、人々の暮らしを自然環境との関わりで説明する
|
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気候環境と生活 |
|
2 |
|
2 |
春 |
なぜ地球には季節変化があるのかということから、惑星としての地球を考える。惑星としての地球に大気と海洋を加えて、地球表面の放射収支・熱収支、気温の水平・垂直分布を解説する。
日本海側の冬の降雪から、蒸発・湿度・降水・土壌の水を説明する。 |
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沖縄の自然環境 |
|
2 |
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1・2 |
春 |
サンゴ礁の島々の自然や生い立ちを中心に、琉球列島と日本本土を比較しながら自然と人間の関わりを学ぶ |
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東京の自然環境 |
|
2 |
社・歴 測士補必 |
1・2 |
春 |
関東平野と東京周辺の台地を例に、第四紀以降の自然環境の変遷と地形の成り立ちを探る。 |
|
地表環境の生い立ち |
|
2 |
社・歴 測士補必 |
1・2 |
秋 |
山、平野、台地など身の回りに見られる日本の地形の成り立ちを、第四紀の気候変動や地殻変動から読みとる。 |
|
地域の気候環境 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
春 |
日本を題材としてミクロから半球規模の気候現象を取り上げる。 |
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グローバルな気候環境 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
秋 |
世界を題材として主にグローバルな気候現象を取り上げる。 |
|
日本の植生環境 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
日本の植生について,森林を中心に世界の植生との関連も含めて概観する |
|
地域の生態環境 |
|
2 |
|
3・4 |
秋 |
日本の草原や動物地理を概観し,さらに生物多様性の保全や緑地計画をとりあげる. |
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日本の土壌環境 |
|
2 |
|
2〜4 |
集中 |
土壌地理とその調査方法を概観した後,野外での簡単な実習を行う。 |
|
第四紀の自然史 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
人類が誕生し進化した時代、現在の地形が形成され何回もの氷河時代が到来した最新の地質時代を学ぶ。 |
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世界の地形 |
|
2 |
|
3・4 |
秋 |
世界各地に見られる地形の成因、形成時代、形成過程を日本の地形と比較しながら学ぶ。 |
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日本の水環境 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
北海道から琉球列島に至る降水現象と水循環の地域性を学ぶ。 |
|
海洋と陸水の科学 |
|
2 |
|
3・4 |
秋 |
グローバルな視点から、蒸発・水蒸気量・降水・陸水を捉える。 |
|
人間環境科目群(38科目82単位) |
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人文地理概説A |
2 |
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社・歴 社免歴免必修 |
1 |
春 |
人口、食料、農業、農村、工業など、地理学で取り扱われている課題について概説する。 |
|
人文地理概説B |
2 |
|
社・歴 社免歴免必修 |
1 |
秋 |
内容は再検討中 |
|
江戸東京の歴史地理 |
|
2 |
社・歴 |
1・2 |
秋 |
東国の片田舎であった江戸が、現代日本の中心都市東京となるまでの過程を、歴史地理的に考察する。 |
|
歴史景観と環境 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
秋 |
歴史時代の日本の諸地域が、いかなる環境のもとに形成されたか考察する。 |
|
経済と人間生活 |
|
2 |
|
1・2 |
春 |
経済発展と人間生活、経済活動と環境等を中心に今日的な課題を展開する。 |
|
サービスの地理学 |
|
2 |
|
1・2 |
秋 |
第三次産業の立地や物流,情報・サービ スの地域間フローを学び,そこから都市・地域間関係を考察する。 |
|
交通の発達と環境 |
|
2 |
|
3・4 |
秋 |
地域内や地域間を結ぶ物流や交通の現代的問題について講義する。 |
|
レクリエーションと環境 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
観光を中心に、地域を振興していくための計画論やレクリエーションの活動空間との関連で地域をを考察する。 |
|
都市空間と社会 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
秋 |
中心地理論・都市圏・都市システムなど、都市地理学の基礎概念について説明する。 |
|
都市空間と文化 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
秋 |
都市の風景や都市の意味など都市のもつ文化的側面について、人文主義的手法を用いて都市を解読する。 |
|
民俗学 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
日本人の生活習俗・伝承文化を総合的にとらえて概説し、民俗学の方法論を学ぶ。 |
|
文化人類学 |
|
2 |
|
3・4 |
秋 |
人間と文化の関わりやその意味について、言語・社会構造・宗教儀礼・生産経済・生態環境などから考える。 |
|
環境と文化 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
春 |
人間の価値・知識・行為・習慣などの側面から、ますます多様化する文化や価値観の地域差を考察する。 |
|
地域資源の管理 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
水資源、森林資源、農村資源などの今日的課題とその対策について講義 |
|
農村資源の多面的利用 |
|
2 |
|
3・4 |
秋 |
農村資源の概念、種類、利用について日本、諸外国の事例を取り上げて講義する。 |
|
地域計画と景観 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
景観への関心の高まりの背景、景観保全とまちづくりについて事例をもとに検討する。 |
|
地域計画と住民参加 |
|
2 |
|
3・4 |
秋 |
地域計画における住民参加について日本・欧米の現状と課題について解説する |
|
地球環境保全論 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
地球環境問題を地理学的、生態学的な視点で捉え環境修復の具体的な課題、人類の将来について考える。 |
|
環境問題とアセスメント |
|
2 |
|
3・4 |
秋 |
環境と公害、環境アセスメントなど日本における開発と公害の歴史、環境アセスメント法などを学ぶ。 |
|
自然保護と開発 |
|
2 |
|
1・2 |
秋 |
公共事業で失われる自然を保護することから始まった日本の自然保護運動を学び、地域経済に不可欠な新しい質の公共事業について考える。 |
|
社会環境と人間 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
秋 |
農村社会・都市社会などの社会環境が地域と人間に及ぼす影響について考察する。 |
|
環境イメージ論 |
|
2 |
|
1・2 |
春 |
人の心と環境との結びつきを、心理学のイメージ理論から明らかにし、人によって意味ある環境とは何かを考える。 |
|
旅の地理学 |
|
2 |
社・歴 |
1・2 |
秋 |
風景論の歴史、風景の意味、風景の鑑賞法などについて考察する。旅行に関する基礎知識や旅の方法についても言及する |
|
環境経済学 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
環境問題の発生メカニズム,経済活動(人間活動)と環境問題との関わりについて学び,対策について考える. |
|
日本史概説A |
|
2 |
社・歴 |
1 |
春 |
|
|
日本史概説B |
|
2 |
社・歴 |
1 |
秋 |
|
|
東洋史概説A |
|
4 |
社・歴 |
1 |
通 |
|
|
東洋史概説B |
|
4 |
社・歴 |
1 |
通 |
|
|
西洋史概説 |
|
4 |
社・歴 |
2 |
通 |
|
|
日本文化の歴史A |
|
2 |
社・歴 |
34 |
春 |
|
|
日本文化の歴史B |
|
2 |
社・歴 |
34 |
春 |
|
|
日本の民俗 |
|
2 |
社・歴 |
34 |
春 |
|
|
文化と伝承 |
|
2 |
社・歴 |
34 |
秋 |
|
|
日本史の中のジェンダー |
|
2 |
|
3 4 |
春 |
|
|
国際交流の歴史 |
|
2 |
|
34 |
春 |
|
|
産業と流通の歴史 |
|
2 |
|
34 |
秋 |
|
|
考古学A |
|
2 |
社・歴 |
12 |
|
|
|
考古学B |
|
2 |
社・歴 |
12 |
|
|
|
地域環境科目群(11科目22単位) |
||||||
|
日本の地誌 |
|
2 |
社・歴 社免歴免必修 |
1 ・2 |
秋 |
我が国を主として文化や風俗、自然環境の面から記述し、現代の日本社会を理解するために必要な地理的常識についても言及する。 |
|
日本の景観と文化 |
|
2 |
社・歴 社免歴免必修 |
1・2 |
春 |
日本中のさまざまな地域をとりあげ、その独自な景観と、それを形成する要因となった文化との関わりについて考察する。 |
|
東京大都市圏 |
|
2 |
|
1・2 |
春 |
巨大都市東京を中心とする我が国最大の機能地域について、さまざまな視点から分析・考察する。 |
|
世田谷の地誌 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
本学の立地環境であり、東京の西郊にあたる世田谷の地誌について講義する。 |
|
アジアの環境と人間生活 |
|
2 |
社・歴 |
1・2 |
春 |
アジア地域の自然環境・歴史・経済・文化等について、我が国との共通点と相違点を正しく理解する。 |
|
ヨーロッパの環境と人間生活 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
秋 |
ヨーロッパという、我が国とは異なる自然環境・歴史・文化・社会をもつ地域を正しく理解する。 |
|
北アメリカの環境と人間生活 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
春 |
アングロアメリカ(アメリカ合衆国とカナダ゙)の自然環境と人間生活の地域性を学ぶ。 |
|
熱帯・乾燥地域の環境と人間生活 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
秋 |
ラテンアメリカや中東、アフリカなどから例を取り、開発途上地域の課題と地域性について学ぶ。 |
|
オセアニアの環境と人間生活 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
春 |
環太平洋地域の自然環境と人間生活の地域性について学ぶ。 |
|
世界の社会と経済 |
|
2 |
社・歴 |
3・4 |
秋 |
世界中のさまざまな地域をとりあげ、その独自な経済構造と社会システムとの関わりについて考察する |
|
世界の民族と文化 |
|
2 |
社・歴 |
1・2 |
春 |
世界中のさまざまな民族とその文化をとりあげ、民族文化相互間の関わり、および民族文化間の対立・紛争について考察する。 |
|
情報調査科目群(22科目41単位) |
||||||
|
地図学 |
|
2 |
社・歴 測士補必 |
1・2 |
春 |
地表の表現法である地図の、歴史、種類、表現方法、投影方法などを学ぶ。 |
|
地形図判読法 |
|
2 |
社・歴 測士補必 |
1・2 |
秋 |
地形図からさまざまな情報を読みとる方法を学ぶ。等高線の性質や地形図上での測定方法などを実習する。 |
|
地域調査法 |
2 |
|
|
1 |
春 |
人文地理学の研究を行う上で必要な基本的な作業や調査の方法を学ぶ。 |
|
自然環境調査法 |
2 |
|
|
1 |
秋 |
自然環境の調査に必要なさまざまな機械・器具類の使用方法と、測定データのまとめ方を学ぶ。 |
|
環境データ分析法 |
|
2 |
|
1・2 |
春 |
数値地図データやアメダス(気候)データなどの分析方法、図化の方法、環境シミュレーションの基礎を学ぶ。 |
|
空中写真判読 |
|
2 |
測士補必 |
1・2 |
秋 |
空中写真を使って地域の情報を読みとる方法、地形調査や防災調査に必要な写真判読技術の取得をめざす。 |
|
統計情報学入門 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
コンピュータを用い、社会科学、自然科学の分析ために最低限必要な情報統計処理の方法について学ぶ。 |
|
統計情報学応用 |
|
2 |
|
3・4 |
秋 |
主として多変量解析を用いた、高度なデータ解析の方法について学ぶ。 |
|
社会調査とデータ分析法 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
聞き取り調査やアンケート調査などの社会調査の方法とデータ処理の実際について解説・実習する。 |
|
計量地理学 |
|
2 |
|
3・4 |
秋 |
現代地理学における計量的手法の意義と、計量的手法の実際の研究への適用法について学ぶ。 |
|
測量学1 |
|
2 |
測士補必 |
3 |
秋 |
測量に関する基本的な知識と技術、歴史と現状、法令などに関して学ぶ。 |
|
測量学2 |
|
2 |
測士補必 |
4 |
春 |
地図測量についての基本的な知識と技術を修得した上で、新しい技術に関して知識を深める。 |
|
測量実習1 |
|
1 |
測士補必 |
3 |
秋 |
実習、演習を通じて測量学を実学として完成する。この科目は測量学2と、ペアで履修すること。 |
|
測量実習2 |
|
1 |
測士補必 |
4 |
春 |
実習、演習を通じて測量学を実学として完成する。この科目は測量学1を履修済みのものが登録できる。 |
|
測量実習3 |
|
1 |
測士補必 |
4 |
集中 |
測量士補の資格付与に必要な現地実習を、集中しておこなう。 |
|
地図製作法 |
|
2 |
|
1・2 |
春 |
図式、縮尺などの基礎を学んだうえで、主題図、統計地図の作成を通して主題図作成の方法を学ぶ。 |
|
デジタルマップ製作法 |
|
2 |
|
1・2 |
秋 |
数値地図や既存の紙地図から、汎用グラフィックソフトを使ってデジタル主題図を作成する方法を学ぶ。 |
|
環境リモートセンシング |
|
2 |
|
3 |
春 |
リモートセンシングの理論を学び、環境調査に利用する方法を学ぶ。 |
|
環境リモートセンシング応用 |
|
2 |
|
3 |
春 |
リモートセンシングの実習を通じて、解析の方法、利用方法を具体的に学ぶ。 |
|
地理情報システム |
|
2 |
|
3 |
秋 |
GISの理論を学び、社会調査や環境調査に利用する方法を学ぶ。 |
|
地理情報システム応用 |
|
2 |
|
3 |
秋 |
GISの実習を通じて、解析の方法、利用方法を具体的に学ぶ。 |
|
洋書講読 |
|
2 |
|
3・4 |
春 |
地理・環境関係のおもに英文の論文を読みこなす能力を養う。大学院進学希望者などを対象とする。 |
|
調査研究科目群(8科目18単位) |
||||||
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地理学野外実習A |
2 |
|
|
1 |
集中 |
1〜3泊でおこなう必修の野外研究で、調査方法を実践的に学び、レポート、論文作成の手順を修得する。 |
|
地理学野外実習B |
2 |
|
|
2 |
集中 |
|
|
地理学野外実習C |
2 |
|
|
3 |
集中 |
|
|
地理学演習1 |
1 |
|
|
3 |
春 |
人文地理・自然地理の各分野の理論や調査法、研究法を学ぶことがこれら授業の目的である。演習(ゼミ)形式で行い、レジュメのまとめ方や発表、討論の方法も学ぶ。 |
|
地理学演習2 |
1 |
|
|
3 |
秋 |
|
|
地理学演習3 |
1 |
|
|
4 |
春 |
|
|
地理学演習4 |
1 |
|
|
4 |
秋 |
|
|
卒業論文 |
8 |
|
|
4 |
|
四年間の学習、研究の成果をまとめる。テーマの設定、論文の体裁、研究成果の内容などのすべてが評価の対象となる。 |