※ 「今月の衛星画像」 2009年のテーマは 街、都市 です ※

Vol.11−04    2009年04月号

マニラ(Manira)東洋の真珠とうたわれた都市 

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
また、メリーランド大学のアーカイブデータを使用することもあります。

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 2009年のテーマは、「街、都市」です。衛星画像を使って、世界の街や都市を見てまわりましょう。


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 フィリピンの首都マニラの30年を、衛星データから画像に作ってみました。画像2の北の方をほぼ東西に流れるのはパシグ川です。マニラはこれを境に、北岸の8地区と南岸の8地区に分かれます。マニラの東にはケソン市がありますが、これらマニラ、ケソンシティ、パサイ、カローカン、マカティ、マンダルヨンの各市とラスピニャス、マラボン、マリキナ、モンテンルパ、ナバタス、パラニャケ、パシグ、パテロス、サンホアン、タギグ、バレンスエラの各町をあわせて、1975年にメトロマニラ(首都圏)が発足しました。この面積は636km2、人口は、170万人ほどです。
画像2と3を比較すると、マニラ湾の東岸に位置するこの地は、海岸沿いの低湿地を埋め立てて拡大したことが読みとれます。埋立地には、東洋一といわれるショッピングモールもできています。マニラには数多くのショッピングセンター、ショッピングモールがあり、どれも個性たっぷりです。外国のショッピングモールというと、どこも同じようなブランド品ばかり並べて没個性というのが定番ですが、マニラは地元の雑貨や食材、あやしげな中国物産やフィリピン風フードコートなどもあって、ブランド品に興味のない私のようなオトコが行っても結構楽しめます。
パシグ川の南岸は、1500年代後半にスペイン人によって築かれた城郭都市、植民地時代のスペイン建築が残っています。多くは第二次世界大戦で破壊されたということですが、世界遺産となっているサン・アウグスチン教会はフィリピンのバロック様式教会群として有名です。また、マニラ湾に沿ってホテルや政府機関、企業のビルなど、近代的な高層建築がみられる。マニラは、かつて「東洋の真珠」とうたわれたといいます。しかし近代的なマニラの裏町には、多数のスラムも形成されており生活排水の臭いが漂う雑然とした町並みもまたマニラの特徴のひとつといえるでしょう。
                                                                     

        画像1 マニラ周辺をとらえたLANDSAT画像  2001/5
ピナトゥボ山周辺の谷を埋めているのは白くみえるのは1991年のラハール(火山泥流)堆積物。
画像2 1972年のMSSナチュラルカラー画像  1972/12/23
画像3 2001年のTMナチュラルカラー画像  2001/05/18
写真1 マニラ湾と周辺の近代的なビル
2007年  長谷川均 撮影
写真2 リサール公園
フィリピン独立の国民的英雄ホセ・リサールを記念した公園で、緑が多い。
2007年  長谷川均 撮影
写真3 パシグ川南岸から北岸をみる
このあたりの北岸はビルも見られるが、この奥にはスラムが広がっている。北岸には東洋最大といわれるスラム街もある。 2007年  長谷川均 撮影
写真4 世界遺産のサン・アウグスチン教会 
    2007年  長谷川均 撮影