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Vol.2−8   2000年8月号
「八代海と日奈久断層
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 不知火海の名で知られる八代海は、熊本県の西部に位置する南北70kmほどの内海である。この内海の北部は流入する河川が運んでくる堆積物の影響で比較的水深が浅く干潟が形成されている。今も昔もこのような干潟は埋め立てやすいから開発のターゲットになる。八代海の北部地域も、有明海とともに江戸時代以降盛んに干拓がおこなわれてきた。このような代表的な場所が八代平野である。八代海の沿岸には八代や水俣など工業の盛んな都市があり、排水や生活排水の影響で海水の汚染も進んでいる。チッソ水俣工場(当時は新日本肥料)の排水に含まれていた有機水銀が魚介類を汚染し、それを食べた人たちが水銀中毒症状を発した水俣病は、1956年この地で発生したのであった。
 画像2に見える八代平野は、
球磨川などいくつかの河川がつくる複合三角州と干拓地からなる。平野の半分以上の部分は、近世初頭以来の干拓地といわれている。ところで画像2では、八代平野から南に向かって山麓線と海岸線が非常に直線的にのびていることが読みとれるが、これは八代・日奈久断層崖で低地や海域と山地が限られているからである。九州島は、その胴体部分を北東から南西に斜めに走る断層群で切断されている。その延長が八代海東岸をつくる八代・日奈久断層といわれる大断層群である。八代海の島嶼部をみると、リアス式海岸が見られ沈水していることが推定できるが、八代・日奈久断層はこの部分で数百メートルもの高度差を生じさせ、その西側を沈降させている。


画像1 九州西部 50mメッシュDEMより作成

画像2 八代平野(図左端)から水俣付近(右端)の衛星画像 
LANDSAT TM画像と数値地図50m メッシュ(DEM)より作成


この画像は横方向がほぼ南北にあたる。スケールは画像1を参照のこと

 <これらの画像の使用は、個人的な目的であってもご遠慮ください>   

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