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Vol.1-2   1999年08月号
「LANDSATが捉えた赤土流出 −石垣島東海岸−

 本土復帰以降の25年間で、沖縄県には多くの資金が投入され、土地改良事業などの大規模な土木工事がおこなわれた。石垣島では、1975年以降、沖縄県で最大の土地改良事業が実施されその結果、人間の自然に対する働きかけは自然の再生可能なレベルを逸脱し従来の生態系を破壊した。現在「赤土流出」として知られている、農地からの土壌流出とサンゴ礁浅海域の環境破壊はその例である。過剰な土地改変によって、自然環境が逆に人間生活に対してマイナスにしかも不可逆的に作用するようになってきた。このような現状に対し、実態とかけ離れた保全対策、施策が採られ、結局多額の投資をしながら現状は少しも改善されず、顕著な成果は得られていない。
 ここに示す画像は、1988年7月にLANDSATが捉えた赤土流出の状況である。LANDSATは、約700km上空の軌道上にあるが、この高度からもサンゴ礁の外側の外洋に向かって拡散する流出土砂(矢印)が捉えられる。宇宙からも観察できる規模の環境破壊が、南の島々で降雨のたびに行われている。

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