Vol.3−12 2001年12月号
「里山とは? ―千葉県成田市―」
このページは画像が大きいので、電話回線での閲覧は時間がかかります。
「里山」とは何でしょうか?今のところ統一された定義はなく、様々な人達が、それぞれ様々なイメージを抱いているようです。しかしそれらは2つに大別できるように思われます。つまり「里の(近くにある)山」あるいは「里と山」です。「里の(近くにある)山」をより限定すると、農用雑木林と言うことができます。つまりこの「山」は原生の自然ではなく、常に人による攪乱(「管理」とも言えるでしょう)を受けてきたものなのです。また里山を「里と山」とするならば、それは人々の生活と自然環境の調和した景観ととらえることができるのではないでしょうか。
いずれにしてもキーポイントとなるのは、いかに人が係わるか、いかに日々の生活の中に里山が含み込まれているか、ということです。すると里山の保全といった問題を考えるときにはおのずと「囲い込んで守る」というタイプのものではないことに気づきます。そしてまた、里山の風景を美しいと感じるとしたら、それは単に鑑賞の対象として美しいだけでなく、自然と人間との目に見える、あるいは目に見えない共存関係を感じとるからかもしれません。
(大学院 地理・地域論系M1 青木直美)
画像1 1994/01/07 SPOT HRV
台地内部に向かっていく筋もの谷が入り込んだ谷津(やつ)がみられる。またそこに作られた水田は谷津田と呼ばれる。
写真1,2 成田市米野地区の里山の風景
<これらの画像の使用は、個人的な目的であってもご遠慮ください>