Vol.4−12   2002年12月号
佐渡島

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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団 です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団 です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団 です。SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。


 佐渡島(さどがしま)は、日本で二番目に大きな島である。択捉、国後をのぞくと、日本最大の島は沖縄島になる。そして二番目が佐渡島だ。沖縄島の面積は1200平方キロメートル、いっぽう佐渡島は850平方キロメートルになる。佐渡島は、両津市ほか佐渡郡の7町2村からなるが,人口は約7.5万人(1995)あまりで、島の大きさに比べて少ない。島の面積は県全体の約7%を占めるが,人口は4%弱にすぎず,全体として過疎化が進んでいるという。島は北東から南西に走る北部の大佐渡山地と、南部の小佐渡丘陵(山地)、および中央部の国中平野からなる。北東から両津湾,南西から真野湾が湾入し,両津湾岸に海跡湖の加茂湖がある。佐渡島は新潟からジェトフィルで1時間、飛行機で20分ほどの距離にある(平凡社、世界大百科による)。佐渡島は、海岸の美しさが有名で、特に大佐渡の日本海側は外海府、両津湾側は内海府とよばれ岩石海岸の見どころが多い。
 
部分的に拡大した、画像2と3を見ると、さまざまな発見がある。上述の海岸地形にまとを絞って眺めてみよう。画像2,3で外海府の海岸を眺めると、海岸線に沿って薄い紫色に見える帯状の部分が海岸に沿って続いている。この帯は、内海府側や、小佐渡の東側の海岸には見られない。地形図と見くらべるとわかるのだが、これは波食棚である。画像2と3の境界部分は一部が重複しているが、このあたりには千畳敷などという名称のついた波食棚が形成されている。また、波食棚上に波食甌穴(おうけつ)群が分布する。波食棚の分布から推定されるように、佐渡島は全体的に見ると西上がりの地殻変動を受けていることがわかる。画像2,3の外海府海岸に沿う平坦面(画像で白っぽく見える部分)は海成段丘である。大佐渡の北端では海抜300m付近まで段丘が分布するし、大佐渡南端の二見半島は、ほとんど全域が段丘からできていて、少なくとも9段も識別できるという。佐渡島には、この他にも活断層や地震で隆起した変動地形などが数多く分布し、日本列島の縮図といえるそうだ(太田陽子、変動地形を探るT、1999、古今書院)。
 

画像1 佐渡島 1999.08.01 LANDSAT TM 
画像2 両津湾と加茂湖 西側が大佐渡山地
画像3 国中平野と真野湾 大佐渡の南端(上の画像の南西端)が二見半島

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