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Vol.1-6 1999年12月号
「オホーツク海から太平洋へ」
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知床の呼び名は「シレトク」というアイヌ語が語源で、大地の行きづまりという意味だという。その知床半島の付け根がここ。画像のほぼ中央にあるのが斜里岳で、北東に向かって海別(うなべつ)岳羅臼岳と火山が続く。羅臼岳の南側を、オホーツク海側と太平洋側を結び知床半島を横断する道路が通っている。知床国立公園は、ほぼ羅臼岳より以北で、この画像の範囲外にある。なお、画像の左下には摩周湖がみえる。
知床半島の形成は、約900万年前の海底火山の活動にはじまり、50万年前以降の陸上の火山活動でその骨格が形成された。現在でも摩周湖の近くにある硫黄山新噴火口では、活発な活動をみることができる。知床半島はまた火山性の急斜面を下る河川と、部分的に広がる段丘面、そして急峻な海食崖という複雑な地形も特徴のひとつとしてあげられる。ここでみられる植物の分布は、海岸から高山かけて気温や地形環境に応じて整然と分布し、みごとな垂直分布構造が広がっている。知床半島は、標高が高い山々が海につきだしているため、局地的な気象現象がみられるという。また、半島の南側と北側で天候が異なることがしばしばある。斜里と中標津の農地を拡大した画像を示したが、ここでみられる色調やパターンの違いは耕作物の違い、生育度の違いを示しており興味深い。 ※本文は、「知床の人と自然」 斜里町立知床博物館協力会、1997 を参考にし、一部引用しました。
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画像データ LANDSAT-5 1984/10/05 RGB:TM321