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「今月の衛星画像」 2004年のテーマは 世界の国立公園 です ※

Vol.6−01
  2004年01月号
「ハレアカラ アメリカ合衆国ハレアカラ国立公園 

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ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団 です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団 です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団 です。SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。


 ハワイ諸島には高い山があって、山頂でスキーを楽しんでからビーチにおりて海水浴ができる年もある。ハワイ島のマウナケア山(4205m)やマウナロア山(4170m)、マウイ島のハレアカラ山(3055m)などの頂上付近はツンドラ気候で、この話は「今月の地理写真」の『ハワイ島マウナケアの山頂はツンドラ気候で当教室の野口泰生先生が書いている。
 
ハワイ諸島で、ビッグ・アイランド(ハワイ島)に次いで2番目に大きな島がマウイ島である。面積121km2のこの島の最高峰ハレアカラにも、線状土などの現世の周氷河地形が形成されている。現在では活動を終えてしまったハレアカラ火山の山頂には、マウナケアやマウナロアと同様にたくさんの天文台が並んでいる。山頂はクレータ壁の上にあり、下方には巨大な火口底がひろがっている。Webを使えば昼間ならHaleakala Crater Live Camera で居ながらにして景観を楽しむことが出来るし、気象状況もわかる。クレーターは周囲約32kmで、深さは830mにおよぶび、前述のライブカメラは、下のパノラマ写真の左側を捉えている。
 国立公園のHPによれば、ハレアカラ国立公園は「火山の景観を保存し、Kipahulu谷のユニークで脆弱な生態系やOheo渓谷に沿った風光明媚な湖沼や絶滅危惧種を保護するために、もとはハワイ国定公園の一部であったものを、1961年7月に個別に指定された」 ということだ。ハレアカラ山の東側の山麓斜面が国立公園になっていると思えばよい。西側の自動車道を使って山頂までゆき、途中の山荘で一泊しながら山を下る「登山」が人気があるそうだ。Kipahulu谷やOheo渓谷というのは、ハレアカラから南東山麓に延びる谷である。ハレアカラ国立公園の範囲やこれらのこれらの渓谷の場所は、地形図を参照してほしい。残念ながらこのあたり一帯は、下の
LANDSAT画像では雲の下。
 ハレアカラとその南西にあるKahoolawe島の説明は、火山地質のWebページに簡単に書いてある。

         
画像1。西マウイと東マウイはそれぞれ大きな盾状火山である。標高1764mの西マウイの方が古く、それだけ侵食が進んでいる。二つの火山の間には、サトウキビやパイナップルの大規模なプランテーション、牛の放牧場などがひろがる。ハレアカラの延長に位置するカホオラウェ島Kahoolawe)もまた火山島だ。1939年から、94年に法廷闘争の果てに返還が決まるまで、海軍の射爆場として世界で一番砲弾を撃ち込まれた地面だというが、現在はこの島の自然を回復する活動が進行しているらしい。この島とマウイ島の間に、弓状の小さなモロキニ島(Molokini)が見える。これは、火口丘の北半分が溺れてしまったものだ。この島は造礁サンゴの保全やモニタリングがおこなわれ、サンゴ見物ツアーもあるというが、実際には見るべきサンゴはそんなにないと、池澤夏樹さんは書いている(ハワイイ紀行、新潮社)。  LANDSAT 7、2000年2月5日。RGB:321
画像2。クレーターや噴石丘の分布には規則性があり、リフトゾーンに沿っている。南側のクレーター壁が開いて見える部分がKaupo Gapリンク先の地形図を参照しながら見るとよくわかる。
画像2の、南西から北東に延びるクレータの縁にあるKalahaku Overlook という展望台から南東に向かって撮影した写真。Kaupo Gapは、この写真の範囲外左側にある。本文中で紹介したライブカメラは、このGapをわずかに視野に入れている。遠景のスカイラインはハワイ島のマウナケアとマウナロア。1979年12月、長谷川 均撮影
黄道光を撮影したこの写真は、筆者が夜間の気温観測の合間に撮影し「天文ガイド」という雑誌に載ったもの。ハレアカラで撮った天体写真は最近よく天文雑誌に載るけれど、おそらくこの写真が日本の雑誌に載った初めての(アマチュアの撮った)ハレアカラでの天体写真(べつに自慢じゃないけれど)。二十数年前のハレアカラの夜は真の暗闇。昼の青空さえ黒みを帯びていた。右の建物はクリスマス休暇の間だけ宿舎に借りた天文台の一部分。

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