Vol.3−07 2001年07月号
「木曽御嶽 −信仰の山−」
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御嶽山(標高3,067m)は、民謡木曽節に「夏でも寒い」とうたわれ、現在でも山頂では蒸気が噴出しているコニーデ型火山である。「御嶽」は「オンタケ」と呼ぶが、これはその昔「オノタケ」と呼ばれていたものが変化して「オンタケ」と呼ばれるようになり、木曽御嶽信仰の広がりによって公称となった。現在でも白装束での信仰登山が残っており、信仰の山としての顔をもっている。
画像2は、御嶽山周辺を南西方向より見下ろした鳥瞰図で、Landsat
TM3:2:1にRGBを割り当てた画像にDEMを重ねて作成した。白く雪をいただいた山が御嶽山で、その南東に見えるのが愛知用水の水瓶、牧尾ダムである。昭和59年に起こった長野県西部地震によって御嶽山の一部がぬけて大量の土砂がダムに流入し、現在でも堆砂対策が実施されている。
御嶽山のある木曽地方には、「木曽五木」と呼ばれるヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロ、コウヤマキ等の針葉樹が多くはえている。その昔、杣(そま)が手鋸を使用して伐採した木曽ヒノキは、なかのりさんによる筏流しによって運ばれたが、現在はチェーンソーで伐採し、トラックでの運材が行われている。赤沢休養林では、ヒノキの天然林(造林学)を体験することができる。
私事で恐縮だが、筆者は画像2の南西に見える岐阜県加子母村(白い筋状の地域)で、2000年3月まで林業に従事していた。加子母村は江戸時代、「桧一本首一つ」で有名な尾張藩の林業経営地とされていた地域で、現在も「東濃桧の里」として林業の盛んな村である。
(大学院 地理・地域論系M1 後藤智哉)
画像1 御嶽山とその周辺地域(枠は、画像2の位置)
画像2 御嶽山とその周辺の鳥瞰画像
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