※ 「今月の衛星画像」 2004年のテーマは 世界の国立公園 です ※

Vol.6−06   2004年06月号

「 Tweed VolcanoカルデラとMt.Warning国立公園 」 

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 オーストラリア東部に連なる大分水嶺山脈のほぼ中央部、ニューサウスウェールズ州の北端に 位置するのがMt.Warning国立公園です(図1)。 ここには、火山のMt.Warning(標高1157m)を中心にTweed Volcanoが作った南半球最大の カルデラが広がります(図 2)。そこには豊かな熱帯雨林が繁茂し、Mt.Warning国立公園をはじめ、 Lamington国立公園、Border Range国立公園などの国立公園が多数設けられ、 同時にユネスコの世界遺産にも登録されています(図2、3)。
 オーストラリア東部の火山はホットスポット性のものであるようです。 それらは、北部から次第に南下していると考えられ、南部のビクトリア州では第四紀火山も確認されています。 Tweed Volcanoも過去のホットスポットで、約2300万年前に活動した大変古い 火山です。その活動は、玄武岩質溶岩を100km以上離れた海岸まで押し流すなど激しいものであったと 考えられ、現在でもその一部を見ることができる(写真1)(Big VolcanoLandforms Reference)。



図1:Mt.Warningの位置図。ゴールドコーストから約100km南にある。Mt.Warningという名前の由来だが、キャプテンクックが本大陸を探検した際に、この周辺の海域で多くの船が座礁したため、Mt.warninigが見えたら注意せよという航海上の目標にしていたことにある。


図2:Tweed Volcanoカルデラ周辺のランドサット画像のトゥルーカラー表示
四角で囲んだ部分がTweed Volcanoカルデラ
Landsat TM P89/R79(1989年9月16日撮像)、P89/R80(1989年9月16日撮像)



図3:Tweed Volcanoカルデラの拡大図。
カルデラの直径は約30km。画面中央の山がMt.Warningで、それを取り囲むように複数の国立公園が作られている。山体は侵食が進み、深い谷が刻まれているのが見られる。 またオーストラリア政府の地質調査所のHPでは、本地域のTM画像によるNDVI値などが表示できる。


写真1:スプリングブルック国立公園では、渓谷の河床に玄武岩質溶岩が見えていた。



大学院地理地域論コースM2 鈴木敬子


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