Vol.3−05   2001年05月号
「木曽駒ヶ岳と千畳敷カール
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 今月も「日本の地形レッドデータブック」新装版(小泉・青木編、古今書院 http://www.kokon.co.jp/index.htmlで取り上げられた地形を紹介しよう
 画像は、伊那盆地(画像の右側)と中央アルプスの山々である。伊那谷と中央アルプスの山々の間には多くの断層が走っている。この地域はかつて別の画像で紹介したことがある(バックナンバーを参照)。今回の画像では中央アルプスを代表するカールである千畳敷カールを拡大してみた(画像2)。
 駒ヶ根からはバスとロープウェイを乗り継いで、簡単にカール底に到着する。氷河地形日本で最も簡単にアプローチできる氷河地形である。ここからカール壁をジグザグに登り稜線にたどり着く。1980年に訪れたときには、天気が悪かったせいか稜線まで行く人は多くなかったように記憶している。しかし、その15年後に訪れたときには、ネクタイをして犬を連れた人まで革靴のまま、標高差三百数十メートルの稜線めざして登って行った。少し離れた縦走路には中高年の登山者が多かった。岩場で恐怖のあまり凍り付いていたご婦人達は、無事に下山できたのだろうか。
 
画像2には、南東側に開口した半椀状の地形が見える。これが中央アルプスを代表するカールである。ここから下方に向かう谷は、中御所(なかごしょ)谷とよばれる氷食谷である。
 千畳敷カール周辺では、登山客が多いせいか登山道沿いの侵食が目立つ。また南側のカール壁は崩壊が進み、砂防堤のようなものがいくつか建設されている(崩れるままにしておけばよいのに)。なお、画像1の伊那谷には、顕著な河岸段丘が見えるが、天竜川沿いのこれらの段丘地形は、標高3000m近い稜線部からもよく見える。


画像1 木曽駒ヶ岳(枠内)と伊那盆地


 
画像2 千畳敷カールと中御所谷


画像3 カール底から見上げた稜線 1995年10月撮影


 <これらの画像の使用は、個人的な目的であってもご遠慮ください>   

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