Vol.4−05 2002年05月号
「衛星写真地図をつくる −お手軽・簡単・無料でつくる教材写真−」
このページは画像が大きいので、電話回線での閲覧は時間がかかります。
「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団 です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団 です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace
Imaging(R)/宇宙開発事業団 です。SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。
衛星データを検索するために、世界中の受信施設やデータベースへアクセスすると、膨大な数のサムネイル画像を見ることができる。これらの画像は、データの質や雲量を確認するための圧縮された画像で、拡大して見るようなものではない。しかし、さまざまな画像が無料で手にはいるのだから、これをみすみす捨てるのも惜しい。そこで、教材用にこれらのサムネイル画像を使ってみることにした。
サムネイルを保存するためには、画像上にカーソルを置き、右クリックする。どんなブラウザーにも付いている「画像を保存する」という機能で画像を保存できる。ほとんどの画像は、jpg形式で作られているから、加工作業も簡単だ。どうせなら、隣り合う複数の画像を接合して、広大な範囲の衛星写真地図を作るのはどうだろう。
LANDSATの場合、1シーンの範囲が185×170km程度なので、東西×南北 2枚ずつ(計4枚)を組み合わせると、400km四方近い広範な地域をカバーできる。日本で受信しているLANDSATデータは、東はペキン、南は台湾、北はサハリン北端付近までカバーしており、70年代後半から受信されている画像を使って広範囲の変化を抽出することができる。例えば中国東北地方の沙漠化の進捗状況、長江河口域の三角州の前進などは、比較的簡単に地図にして示すことが可能である。
外国の検索サイトへ行けば、日本では見られない大規模な地形の画像が見られるから、これを保存すれば地形画像集もつくることができる。画像を合成して衛星写真地図を作成するためには、「パノラマ写真作成機能」をもつソフトを使用する。この機能を持つソフトは複数ある。オリンパスの「フォト・ジャグラー」が機能的には優れているが、現在ではほとんど流通していない。最近発売されたアドビの「PhotoShop Elements」(¥9800程度)でもPhotomerge機能を使用すれば合成は可能である。写真合成用のフリーソフトや市販品のお試し版も複数あるので、インターネットで検索してダウンロードし、使用することができる。
画像1 長江河口 | 画像2 フロリダ、キーラーゴからキーウェスト |
画像3 ブリティッシュコロンビア 海岸山地 | 画像4 中国東北地方 |
画像5 画像4のJ地域の湖沼群の経年変化 |