Vol.5−10   2003年10月号
「白い家と褶曲山脈 「カサブランカの舞台 
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「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団 です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団 です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団 です。SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。


※ 「今月の衛星画像」 2003年は名画・名作の舞台を宇宙からみる という特集を企画しました。
ただし、途中で息切れ、中断があるかもしれません。
 ※

 今月は、「カサブランカ」の舞台となったカサブランカとその背後にひろがるアトラス山脈です。

 唐突だが、サメの歯を持つトカゲと呼ばれる「カルカロドントサウルス」の化石が出るのがモロッコだ(カルカロドントサウルスの頭骨の写真は、リンク先の下の方にある)。去年(2002年)の夏、幕張メッセの恐竜展でこの恐竜と出会ってから、いつかアトラス山脈やモロッコへ行ってみたいと思っている。
 モロッコが舞台の映画といえばカサブランカが有名、ということになっている。この映画はもう六十年も昔の作品で、わたしもビデオでしか知らない。せつない映画のあらすじと、きざというか今ならとても くさい セリフの数々は、Webでじっくり読んでもらうことにして、さっそくカサブランカとその周辺をランドサット画像で観てみたい。
「ヨーローッパのエレガンスと北アフリカのエキゾチシズムの融合」という表現は、Webに転がっていた文章だけれど、写真で見るモロッコの「白い家」カサブランカの風景はわるくない。しかし、街そのものは平べったく、アルジェの方がずっと趣があるのだそうだ。
 日本の外務省のページに、モロッコでかかりやすい病気という記述があって「風邪」だそうだ。一年を通じて寒暖の差が激しいので「風邪をひきやすい」という。モロッコの北部からカサブランカ付近までの大西洋沿岸地帯は地中海性気候、内陸部は大陸性気候、アトラス山脈を越えた地域は乾燥地帯の砂漠気候である。画像1は、ちょうど山脈の前面の一帯をとらえている。
 アトラス山脈は、アフリカ大陸の北西辺にありモロッコからアルジェリア,チュニジアにまたがる大山脈で長さは約2400kmに達する。内陸のサハラ砂漠と海岸部は、山脈を越える多くの峠で結ばれており、雪と氷の峠越えの場所もある。ちなみに最高峰は4000mを越える。アトラス山脈は、多くの山脈から構成されているが、その大部分は第三紀初期にできた褶曲山脈である。海岸部や山間の盆地には、肥沃な谷と広大な耕地や牧草地が広がっている。山脈に入れば、ほとんど未開発の鉱物資源が眠っているという。
 カサブランカは、パリのオルリー空港まで行けばすぐそこ。当地のホテルにはその名を冠したバーもあるというから、その気になればハンフリー・ボガードの真似くらいできる。

地図
画像1(下)カサブランカ(A)からアトラス山脈の北麓にかけての一帯。
画像2(下)人口260万人のカサブランカは、アフリカで最大級の貿易港をもつ商業都市で、農作物やアトラス山脈から産する鉱産物の一大輸出港でもある。この画像には、防波堤と北に突き出た大きな桟橋が見える。 また、画質を落としたこの画像では見えにくいが、原画像では海岸線と並行する幾筋もの波状の構造が観察される。 画像1の枠Aの範囲。1987年1月6日 LANDSAT TM ,RGB:542 以下同様。
画像3(下左、画像1のB)     褶曲山脈の片りんがわかる(画像3,4)         画像4(下右、画像1のC

 

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