※ 「今月の衛星画像」 2005年のテーマは 道 です ※

Vol.7−10   2005年10月号

北太平洋とベーリング海をへだてる道 

このページはブロードバンドを使ってご覧ください画像はWeb用に画質を落としています
このページは、1024×768以上の画面でごらんください。画面が小さいと写真の配列位置がこわれます。

「今月の衛星画像」で使用したデータの中には、「研究利用目的配布」で購入したデータが含まれています。
ADEOS衛星の場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。MOS,MOS-1bの場合、データ所有および提供は宇宙開発事業団です。
LANDSATの場合、データ所有は米国政府、提供はSpace Imaging(R)/宇宙開発事業団です。
SPOTの場合、COPYRIGHT CNES、提供はSPOT(R)/宇宙開発事業団 です。


 北太平洋とベーリング海をへだてるアリューシャン列島は、プレートの縁に沿って連なる。列島の南側には、アリューシャン海溝が並行して走る。「海の中の道のように見える」といったらこじつけになるだろうか?(画像1,2)
 このルートを辿って、モンゴロイドがアラスカへ渡ったというのであれば、この画像で今年のテーマである道の話も作りやすい。しかし、モンゴロイドはこの北のベーリング海峡を通ってアメリカ大陸へ渡ったらしい。残念。
 アリューシャン列島は約150の小島からなり、約2000kmにわたって連なる弧状列島である。島々の中には多数の火山島がふくまれている。島々には低木と草が多く、また霧と無数の暗礁のため、航行には危険をともなうという。18世紀末の漂流者、大黒屋光太夫が流れ着いたのはアリューシャン列島のアムチトカ島であった。
 このアムチトカ島は、後にアメリカの地下核実験場となる。1971年、史上最大の地下核実験が行われた。この実験に反対した運動が発展してできたのが、後のグリーンピース(Greenpeace、国際的な環境保護団体)である。いくつかある自然保護運動の流れの一つは、このアリューシャン列島から始まった。長い道のりの一里塚がここにあるとでもいえばいいのか。 

画像1 海の中の道? アリューシャン列島とアリューシャン海溝
画像2 アムチトカ島は、史上最大の地下核実験がおこなわれた島。アッツ島とキスカ島は、第2次世界大戦中の1942年6月から翌年にかけての一時期、日本軍が一時占領した。
画像3 アムチトカ島 東の端の方に、少し離れて二つの飛行場が見える。地下核実験のための施設であったのだろう。沼沢地の多さもこの島々の特徴の一つ。なお、この画像では島の東端部分は切れている。この画像の北西端から南東端までは、約55キロメートルほど。2001/9/20 LANDSAT TM
画像4 キスカ島  島の長さは約38キロメートル。北部にあるキスカ火山は雲をかぶっている。2001/9/20 LANDSAT TM