※ 「今月の衛星画像」 2004年のテーマは 世界の国立公園 です ※

Vol.6−09   2004年09月号

「知床国立公園 」 

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 2004年夏、知床を世界遺産として登録するかどうか、国際自然保護連合(IUCN)の専門家による調査が実施された。そのニュースを見ながら、この地で長い間営林署に勤めていたという方から聞いた、二十年ほど前の話を思い出した。その方がおっしゃるには、「昔の知床の川はすごい。今も多分そうだろうけれど、誰も知らない沢がたくさんあって、秋になれば川を埋め尽くすほどのサケが遡上する。私たち以外にあんな光景を見た人はいないだろう・・・。」と、概略を書けばこのような話だった。ただし「昔」がいつ頃だったなのか聞くのは忘れた。
 知床半島は、オホーツク海に向かってクサビのように突き出ている。半島の大部分が火山地形といってもいいだろう。海岸は、高さ100mにも達する絶壁が続く場所もあるが、その上に海岸段丘が発達するところもある。ウトロから出る遊覧船に運よく乗れれば、絶景を楽しむことが出来るだろう。画像1では、知床岬周辺の段丘がみてとれる。半島の根本の部分の幅は約25km,ここから先端の知床岬までの長さは約65kmになる。半島は、新第三紀の堆積岩や凝灰岩などを基盤とし,その上に第四紀の火山である海別(うなべつ)岳(1419m),遠音別(おんねべつ)岳(1331m),最高峰の羅臼岳(1661m),硫黄山(1563m),知床岳(1254m)などの知床連山と呼ばれる山々が連なる(ライブカメラへ)。硫黄岳は現在も活動を続けている。
 知床国立公園は、知床半島の大部分を占める国立公園で、ウトロ−羅臼を結ぶ線より先の部分にあたる。この地域は、先に述べた火山地形と海食崖の自然景観と、北方の動植物相を特色としている。1964年(昭和39)に国立公園に指定され、面積は386.33km2(38,633ha)である。

位置図
画像1 羅臼岳から知床岬へ   2000年6月26日、LANDSAT  ETM+ 381
画像2 斜里岳、海別岳から知床連山へと続く山なみ       データは1に同じ
写真1 浜小清水付近からみた斜里岳(右)と海別岳(うなべつ岳)。ただしこれらは知床国立公園の範囲外
写真2 知床横断道路からみた羅臼岳(1997年11月)


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