2024年11月5~8日 佐々木ゼミ3年地理学野外実習C 長野県大町市とその周辺

 

佐々木ゼミの14名は,長野県大町市とその周辺において野外実習を行いました。調査の対象は多岐にわたりました。それらは,氷河地形と河成地形,地すべり,篭川沿いで発生する斜面冷気流,木崎湖の湖陸風,大町市のヒートアイランド,局地風の松本風,神城盆地の冷気湖形成です。地形調査をテーマにするグループと気候調査をテーマにするグループを編成して,自身の主たるテーマの調査を行いつつ,他のチームの調査を手伝うかたちで野外実習は進みました。 
   
   
   
写真1,2)鹿島川沿いに分布する河成段丘地形や,斜面崩壊に関係したと考えられる沖積水や崖錐について,沢の河床や工事現場などで露頭を観察し,地形の形成過程について考えました。
段丘地形の分布はとても断片的なので,地形面の対比の根拠を見いだすことに四苦八苦しました。
  
   
写真3)MIS 2のアウトウオッシュ段丘と考えられる段丘地形の大露頭を観察しました。
礫層のマトリクスの粒度分析を行うため,試料の採取も行いました。
 
 写真4)実習初日の夕食の様子。宿泊したホテルの食事は朝夕ともビュッフェ形式の食事でした。
夕食や朝食の時間帯にも観測を行うチームがあるため,全員揃っての食事はこのときだけでした。
   
 写真5)ヒートアイランドの調査を行うチームは,市街地と郊外を自転車で移動しながら気温の観測を行いました。
自動車の空きがある時間帯には市内の広範囲を車で移動しながらの観測も行いました。
写真6)木崎湖の周囲で湖陸風の観測を行うため,2カ所に温度計と風向風速計を設置しました。
1分間隔で観測値を記録します。これは日帰り温泉施設の駐車場に設置させていただいた機材です。
 
   
 

写真7)木崎湖畔では,定点での自記記録の他に,調査者が3カ所に展開して気温・湿度と風向風速を記録しました。

写真8)篭川沿いで発生する冷気流を捉えるため,機材を用意する様子。
小さな車で大人数が移動するので,機材を現場で組み立てるしかないのです。
 
   
写真9)扇沢を吹き下りてくる風を観測しています。
間もなく10時になろうという時間帯ですが,まだ山風が吹いています。
 

写真10)冷気流の観測をするため,夜間に篭川沿いに人員を展開しました。
寒い中での観測はとても辛く,忍耐が必要です。

 
   
写真11)冷気湖の形成を明らかにするための未明からの気温・湿度観測の最中に日の出を迎えました。
五竜岳と唐松岳の朝焼けがきれいです。
 
 写真12)信濃大町駅での記念写真撮影。
このあと解散となりましたが,まだ調査を行っていてこの時点で駅に到着していない人もいます。
みなさんおつかれさまでした。