Back Number をみる

VOL.2-4  2000年4月

「浸食された台地 メサ、ビュート」
※写真が多いので、電話回線での閲覧は時間がかかります。
このページは、1024×768以上の画面でごらんください。画面が小さいと写真の配列位置がこわれます。

 湿潤気候下の日本では、北海道から沖縄まで車窓から飛び込んでくる景色はすべて緑色をしている。 緑を見慣れた日本人の目にとって、乾燥気候の茶色は地肌の色、不毛の色。興味をそそるが、怖い色でもある。そのような乾燥気候の中でも、ひときわ目を引くものがメサ(Mesa)やビュート(Butte)などの乾燥地形である。
 水平に堆積した地層に河川侵食が加わり峡谷ができると、峡谷によって大規模な台地状の地形が分離される。グランドキャニオンなどコロラド川周辺に見られる地形がそれである。浸食が進むと台地は孤立してくる。この地形をメサという。台地がさらに侵食され、台地の幅が高さよりも小さくなって孤立丘の状態になったものがビュートである。頂上に堅い水平層があることで、侵食から逃れて孤立丘が残る。ビュートの斜面には崖錐(Talus)が発達し、乾燥地では植物に被われていないためよく観察できる。アメリカ合衆国には乾燥した西部諸州(ワイオミング、コロラド、ユタ、アリゾナ、ニューメキシコ)にこのような地形が多く見られる。


   
写真1                          写真2 

写真1:ワイオミング州南西部、インターステート80号線、グリーンリバー付近のビュート。
写真2:ニューメキシコ州ロスアラモス付近の「ブラックメサ」。                     

  
写真3            写真4          写真5 

写真3:コロラド州南西部、国道160号線と666号線の交差点付近のビュート。ここはウテ・インディアン居留地内。
写真4:アリゾナ州北部、国道98号線からみた「ホワイトメサ」
写真5:アリゾナ州北部、国道98号線(標高1500m)からみたビュート。

<1982年8月,野口 泰生 撮影>

Back Number をみる・今月の地理写真バックナンバー