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VOL.5-01  2003年01月

氷河の村サースフェー(その2;観光地理編)
※写真が多いので、電話回線での閲覧は時間がかかります。
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先月に続いて,今月もスイスの南部・ヴァリス州(ヴァリス・カントン)のサースフェー(Saas-fee)について.

 写真Aは村のほぼ全景.スイスらしい風景と感じるのは建物にもよっているところがあろう.これらの建物,村の人が住むものももちろんあるが,多くはホテルやレストラン,ホリデーフラット(1週間単位(基本的に土曜〜土曜)で借りるキッチンや生活設備一式(食器・冷蔵庫等)が付いている貸し部屋;観光地にあるウィークリー・マンションと思えばよい)など観光関連施設である.サースフェーも,日本ではツェルマット(Zermatt)ほど有名ではないが,山岳リゾート地として有名な村である.また,ここはツェルマットと同じく,ガソリン車の村への進入が禁止になっている.
 写真Bはロープウェイからみたサースフェーの村(移動中に撮ったためピンボケになってます).丸で囲んであるのが村の入口にある駐車場および駐車棟. 

写真A                                    写真B

 

写真C                                                      写真D

 パークハウス(PARK HAUS)とあるのが駐車棟(写真C SALOMONのペイントのある車がある.村からロープウェイで登ったところにある氷河上では1年中スキーができるので,夏でも国内外からスキーヤーやスノボーボーダーがやって来ている.写真Dは駐車場からフェー氷河を見上げたところ.

写真E                                 写真F

 ガソリン車進入禁止の村内は狭い路地が多いが,車は来ないので安心して歩ける(写真E).
 とはいえ,車がないと移動や物の輸送には不便.そこで活躍するのが電気自動車である(写真F).手前の赤い車はホテルの送迎用の電気自動車,後はトラック型の電気自動車である.

 別のトラックが荷物を運んで移動中(写真G).かなりミニサイズなので,長く乗るには不便であるが,村内の移動ならそれほど困らない.もちろん国際的山岳リゾートであるからタクシーもある.それももちろん電気自動車である(写真H:スイス生協前に停まっているタクシー).
 写真Iはトラック型電気自動車の究極的な形.荷物を運ぶことを主目的にしており,人間用のフードはない.ハンドルもバーになっている.工務店で使っているものでした.
 

写真G                                              写真H

写真I                                              

 日本の観光地でもパーク・アンド・ライドを推進しようとする試みは見られるが,なかなか定着しないのが現状.ツェルマットのように手前の駅で車を降りて登山鉄道で村へ,という方式は難しいかもしれないが,サースフェーのように村の入口までは自家用車OK,ただし村の中だけは電気自動車のような「おもしい」乗り物で,というような方式の方が,日本の観光地でも真似しやすいのではないだろうか(もちろん,「権利」が主張されがちな日本では,そんなに簡単な話でないことは言うまでもない).



                            <写真A〜I:いずれも20028月,加藤幸治撮影>


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