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VOL.5-03  2003年03月

情熱の町リオデジャネイロ
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 2002年1月の「地理写真」でも述べましたが、世界中から最も見る価値のある都市を五つ選ぶとすると、現時点では、杭州、プラハ、トレド(スペイン)、リオデジャネイロ、そしてニューヨークだと思っています(順不同)。今回はその中からリオデジャネイロを紹介しましょう。 リオデジャネイロは現地の言葉(ポルトガル語)でRio de Janeiro、英語にするとRiver of  January つまり「1月の川」という意味です。付近に大した川などないのに、なぜそんな名前になったかというと、1502年の1月にここへやってきたポルトガル人が細長い入り江を川と勘違いして名付けたものと言われています。世界三大美港の一に数えられる美しい港町は、その後の植民地経営の結節点となり、大いに発展しました。1822年の独立から1960年に首都がブラジリアに遷るまで、ブラジルの首都でもありました。
 ちなみに、ブラジルで用いられているポルトガル語では「r」の音価は「kh」
いわゆる「咽喉を震わせるハ」音になりますので、現地では「ヒーオ・ジジャネイロ」に近い発音になります。ですから、「ロドリゴ・ノゲイラ」ではなく「ホドリゴ・ノゲイラ」というのは現地の読みであり、一般的に使われている「ロナウド」ではブラジルでは通じず、「ホナウド」のほうが正確な発音に近くなります。
 写真1は、ポン・ジ・アスカール(「砂糖パン」という名の岩山)から見たヒーオ市街。一段と高いビル群のあるのがセントロ(中心市街)で、その手前に見える砂浜がフラメンゴ海岸です。写真2は、その旧市街の中心部にあるカリオカ広場。写真3の中央に目立つ岩山がコルコバードの丘で、ここには有名なキリストの立像があり、いつも観光客でにぎわっています(写真4)。ここから見たヒーオ市街とグアナブラ湾の眺めは絶景で、これほど感動的な景色は他にあまり知りません(写真5)。
 ブラジルそしてリオといえば、サッカーファンなら一度は行ってみたい場所でしょう。そのシンボルが世界最大級の収容人員を誇るマラカナン・スタジアムです(写真6)。しかしこの周辺はファベイラ(いわゆるスラム)に近く、相当に危険な地域になっています。どこの都市でも一般的には、高台に高級住宅地が立地し、ふつうスラムは低地にあるものなのですが、この町の場合は反対で、高いところに行くほど低所得者の居住地になる傾向があります。誰もが知っているように、ヒーオは世界でも有数の治安の悪い危険な都市でもあります。実際、現地では「市街のど真ん中を通っている片道4車線のトンネルの出口に障害物を置いて、急停車した車を片っ端から襲う銃で武装した強盗団がたまに出る」というような身も凍るような話を何人もの市民から聞かされました。
 リオといえばビーチ・リゾートとしても有名ですね。写真7はコパカバーナ、写真8はイパネマです。高級リゾートホテルがひしめくこれらのビーチは、他の地域に比べるとまだ治安は保たれているようですが、それでも日没後は凶悪な犯罪も起こるので気を付けた方がいいようです。                                                      

<写真1 <写真2>
<写真3> <写真4>


 
<写真5> <写真6>

<写真7> <写真8>

<写真撮影 1996年夏 内田順文



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