Back Number をみる

VOL.7-05  2005年05月

墨田区の藍染博物館

※写真が多いので、電話回線での閲覧は時間がかかります。
このページは、1024×768以上の画面でごらんください。画面が小さいと写真の配列位置がこわれます。
このページの写真は意図的に画質を落としています。写真等の引用の可否は執筆者へ直接お問い合わせ下さい。


 今月は2005年3月に行われた経済地理学会関東支部例会にて訪問した墨田区の藍染博物館について.

 この博物館,博物館といっても博物館として建てたものではなく,もともと藍染を営んでいる藤沢謙二氏が,墨田区における「小さな博物館」事業に参画して運営している博物館で墨田区京島にあります.

 墨田区の「小さな博物館」については,下記アドレスを参照ください.

 http://www.techno-city.sumida.tokyo.jp/shisetsu/shi_05.html

 藍染博物館の「全景」(写真A).作業場を少し改修したところのようです.前もって予約しておけば詳しい説明もしてもらえます.藍染の型(写真B).簡単なもののように見えますが,現在では作れる人がいないもの.これをもっていることがある種の財産.

写真A 写真B

 藍染を簡単に実践してもらっているところ(写真C).写真の人がご主人(「館長」)の藤沢さん.現在はゆかたや半纏(祭半纏)を染めることが主たる仕事とのこと.藍染の半纏は安くはないが,それが「粋」でもあります.

 藍がまに布をつけているところ(写真D).藍染は藍液から引きだし,空気に触れることによって発色する.「青は藍より出でて藍よりも青し」(!?).その日の気温や湿度などの条件によって染まり方・発色の仕方が違うそうです.

写真C 写真D

 発色したものを水洗いして,一応,第一段階として完成.染色には水洗い用の水が必要で,もともと藤沢さんのご先祖も隣地にある池の水を利用するため, ここに立地したとのこと.それ以前,家は神田の紺屋町にあったとのこと.なお,隣地の池は現在,曳舟小学校になっている.

 染色したものを見せてもらう.この染め見本はおみやげとしていただきました(写真E).
これは本当の製品.染めない部分にのり(もち米で作る)をのせて,それによって模様を描くことになる(写真F).のりをのせたものを乾かしているところ.

写真E 写真F

 藍がま(温度管理などの関係上,半地下に埋める形にせざるをえない)や製品の乾燥のための場所など比較的広い場所が必要.地価の高い「東京にはむかない商売」とのこと.学会参加者(10余名)がお邪魔しても,さほど混雑してないことから広さがおわかりになると思います.

写真G 写真H

<写真A〜H:2005年3月,経済地理学会関東支部例会巡検にて,加藤幸治撮影>


 Back Number をみる・今月の地理写真バックナンバー