VOL.9-5 2007年5月
「ミシシッピ川とミズーリ川を越えて西へ」
※写真が多いので、電話回線での閲覧は時間がかかります。
今回も昔のプレーリー草原地帯を紹介する【図1】。気候区分では湿潤冷帯気候(Dfa)からステップ気候(BS)へ、年降水量では1000mmから500mmへ減少する地域である。
図1 |
【T677】は、アイオワ州DubuqueのEagle Point Parkから見下ろしたミシシッピ川。河口から1600kmも上流なのに、はしけや貨物船がひっきりなしに通過する。アメリカ中西部(Midwest)を代表する3大穀物(トウモロコシ、大豆、小麦)はミシシッピ川を使ってニューオルリンズなどの集散地へ運ばれる。
ミシシッピ川に沿って北上し、ミネソタ州に入るこのあたり【T684】は、洪積世氷河期の4回の大陸氷河前進期に一度も氷河に被われなかった地域で、Driftless
Area(無漂礫土地域)と呼ばれる。【図2】でミシガン湖西側の地点がそれである。
T677 | T684 |
図2 | 図3、出典:National Geographicの付録地図 |
インターステートハイウェイI90を西に進むと、ミネソタ州西縁からサウスダコタ、ワイオミングにかけて、かつて平原インディアンの生活域であった【図3、出典:National Geographicの付録地図】。グレートプレーンズの乾燥地でインディアンの生活を象徴するものは皮製のテント(Teepee)である。【M736】はPipestoneインディアン(ミネソタ州南西部)のTeepee。想像以上に大きい。
M736 | M737 |
アメリカ合衆国を網の目に走るインターステートハイウェイは東西方向に偶数の番号がつく。I90もサウスダコタ州の南を東西に貫く【M737はMitchellで、M738はVivianで】。この付近は人口も交通量も少ないが、走るトラックの大きさは半端ではない【M739】。
M738 | M739 |
サウスダコタ州Chamberlainでミシシッピ川支流のミズーリ川を越える【T697】。この付近は年降水量500mmの等降水量線や西経100度線が南北に走るところで、ミズーリ川を越えると、土壌はとたんに赤茶けて、作物は貧弱になる。東のトウモロコシ地帯と西の牧草・放牧地帯の接点である。土地は徐々に起伏を増し【T698】、ロッキー山脈の麓に近づいていく。この辺に定住した人達の厳しい生活が偲ばれる【M740、M741】。
T697 | T698 |
M740 | M741 |
(野口泰生 撮影)
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