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VOL.19-09  2017年09月

  フリブールの水力式ケーブルカー

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 フリブール(Fribourg / Freiburg)は,スイスの西北部・フルブール州の州都.サリーヌ河を「堀」として,その高台に作られた中世の城郭都市である(図1).そのため, 対岸からみると,スイスの連邦都市(首都)・ベルンと似ている(写真A).城壁も残っていて(写真B),そこを歩けることもあって,なかなか興味深いところであるが,日本ではあまり有名ではないといえよう(有名な観光ガイドブックでも記載が少ない).  

 なお,フリブールは同地のフランス語の呼び方.ドイツ語の呼び方ではフライブルグとなるが,ドイツの同名都市と紛らわしいので,スイスのこの都市はフリブールとするのが一般的.
     
(図1)   (写真A) 
     
(写真B)    (写真C)

 高台の土地には限りがあるため,発展とともに街は低地にも広がった(写真C).その際,両者を結ぶために作られたのが,ここで紹介するケーブルカーである.このケーブルカーは「水力式」.水力式というと水車のように水流の力を利用して,というようなことが想起される(少なくとも私はそう思っていた)が,実際には,水を下り側の車両に入れ,その重みで下がろうとする力を利用して,上り側を引き上げる交走式(つるべ式)ケーブルカーである(水力式というより他ないようなのだが,少し違和感がある気がするのは私だけであろうか).

 
(写真D) (写真E)
 写真Dがそのケーブルカー.駅舎にFuniculaireの表示がみえる.英語のFunicularは「フニクリ・フニクラ」でも知られるとおり,(交走式)ケーブルカーのこと.交走式なので,中間地点は軌道が2本です(写真E).
 
(写真F) (写真G)
 写真Fは車両の山側の運転台.左に丸い注水口がみられる.ハンドルは回転式のブレーキ.上の駅には水を注ぐパイプがみられ(写真G),「水力式」たる所以がよく分かる.
     
(動画)
  最後に動画を掲載します.上りの様子です.1分ほどの動画です.
 
 

・図1はスイス連邦地図局ホームページの画面コピー.
同ホームページ(https://map.geo.admin.ch)では日本の「地理院地図」と同様の地図をオンラインで閲覧できる.

・写真AHと動画は201512月,加藤幸治撮影


                                              

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