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VOL.19-12  2017年12月

  鳥取県倉吉市付近のランドスケープ

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3年生の野外実習で鳥取県倉吉市付近を見て回る機会を得たので、この地域の特徴的なランドスケープについて紹介したい。 

     
写真1:玄関口の倉吉駅   写真2:倉吉陣屋跡を説明する看板

写真1は表玄関である倉吉駅前の様子。名産のナシの木が植えられていた。JR山陰本線特急のほか長距離バスの発着もあって賑わっている。中心街は駅から車で15分ほど離れた陣屋跡地(写真2)を中心に広がっている。両者の間にはロードサイドショップが立ち並び、駅前周辺と旧市街地とが繋がれている。 

     

写真3:陣屋跡地に建設されている市役所

  写真4:重伝建地区の町並み
 

写真5・写真6:重伝建地区の町並み

陣屋跡地では、今日では市役所などの公共施設がみられる(写真3)。また、陣屋跡地の手前では倉が目立つ古くからの町並みがよく残されており、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に指定されている(写真4〜6)。 

 
写真7:田園地帯と背景の中国山地

写真8:中国山地(奥)と倉吉平野

倉吉平野は古くから人々が住みついていた土地であり、豊かな田園地帯が広がっている(写真7〜10)。写真7・8の奥には中国山地の穏やかな山容が広がっている。
     

写真9:伝統的農村のランドスケープ

写真10:水田とイノシシ対策の電気柵
写真9は、日本で広くみられる伝統的農村景観の様子(奥から里山−農家・畑−水田と広がる)。倉吉市でも、隣接する山地の状況に応じて、イノシシやシカなどによる獣害が発生している(写真10:電気柵で守られた水田)。
   
 写真11:雑木林の一例    写真12:アカマツ再生の事例
写真11は里山の一例で、ここでは夏緑広葉樹と常緑広葉樹の混交二次林などが広がっていた。かつて広い面積を占めていたアカマツ林は、その大半が消滅したが、尾根筋などの一部では若いアカマツ林が再生していた(写真12)。
     
 写真13:海岸砂丘のネギ畑    写真14:市街地に近い東郷池(汽水湖)
 鳥取砂丘からはやや離れているが、倉吉市付近の海岸域でも砂丘が形成されやすいようで、海岸近くの砂丘はナシ畑やネギ畑(写真13)などとして利用されていた。市街地からほど近い一帯に汽水湖の東郷池が広がっており、湖畔には温泉リゾートなどが広がっている(写真14)。

<写真1〜1420171023-26日,磯谷達宏 撮影>


                                              

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