人生が二度あれば 長谷川 均
地形学を教えるということで地理の教室に雇われたが、今の仕事はもっぱらサンゴ礁地域の環境保全。夏は自然保護団体やNGOの人たちと、サンゴ礁を泳ぎながらボランティアをやっている。
普段は教育と教室の雑用に忙殺されて、「なんでオレはこんなに段取りが悪くて、忙しいんだよぉ〜」と愚痴ばかりこぼしている。もっとも教育は好きだけどね。ところで最近、顔見知りの大学教授に「秘書」がついていることを知り、嫉妬した。いいよなぁ、ずるいよなぁ〜。「だったらもっと研究しろ」と今度会ったら云ってやろうと思った。
さて話しをかえて、学生にぜひ読んで本で欲しい本のことを少し書こう。長嶋俊介『水半球の小さな大地』と村井吉敬『スラウェシの海辺から』何れも同文館(1987)。ろくに内容を覚えていないが「真面目に社会科学を勉強しなかった」としみじみ反省した記憶がある。地理の学生に本を薦める時はこの2冊に決めている。ついで、池澤夏樹(1996)『ハワイイ紀行』新潮社。流行作家が息抜きに書いた本だと思い込み放っておいたが、読んでびっくり。ゆえあって私はハワイ本を読みあさっているが、これを凌ぐものはしばらく出ないと断言できる。最後に、立花 隆(1997)『インターネットはグローバル・ブレイン』講談社。大学に入ればインターネットは使い放題。この本は、巨大な脳の中を泳ぎ回る快感を教えてくれる。よく売れている本にも心は動く。最近は、W田K弥太さん(哲学)の本(哲学書ではない)をよく読む。ただし、この人の本はみんな同じようなことばかり書いてあるので自分で金を出すのは惜しくなり、図書館で立ち読みする。いつかN口Y紀雄さん(経済学)が自分の本で「某氏の本はみんな同じことが書いてある」と批評していたと思うが、今ではN口さんだって同じようなネタで何冊も書いている。こうなると、わざわざ金を払って読む気がしなくなる。大学の先生達も案外底が浅い。それにしても時間がない。百人の村人の話や、もと極妻女弁護士一代記の話しも読まなくては・・。
私の読み方はいわゆる雑読である。読んだ本はたまる一方で、しょうがないからまとめて捨てている。ブックオフへ売るなんて、なんだかイヤダ。しかし、いかにももったいないので最近は地元の図書館(川崎市宮前区)へ通って本を借りることにしている。ところが図書館へ行く途中に大きな本屋ができてしまい、結局そこで本を買ってしまう。家では怒られてばかりだ。読んだ本はとりあえず「読書感想文」を書くことにし、HPにアップしようかなと思ったりもしたけれど、どうせ続かないから止めた。じゃまた。
それにしても時間が惜しい。最近 妻とこたつでお茶を飲みながら、若い頃のことを話し合う 想い出している 。人生が二度あれば この人生が二度あれば まるで陽水の歌の世界だ 親父くさいか?
○最近の私が薦めるこの一冊
池澤夏樹の、マシアス・ギリの失脚。読み終えるのが惜しくて、飛行機の中でしか読まないことに決めている。でも厚い本だから持ち歩くのがたいへん。それに、飛行機に乗るときはたいてい窓側をとって景色を眺めるから、もう何年もかけて読んでいる。昔読んだ Dr ヘリオットのおかしな体験 の訳者がこの人だということを今日、amazonを検索していて気がついた。知らなかった。
○最近の私が惚れたこの一曲 (二十数年前に一度だけ聴き、探していた。2001年末にひよっこりベスト版が出た)
「San Francisco Bay Blues」 Phoebe Snow
○最近の私が唄うこの一曲 (唄う場所は某地のクラブ。一年に一度だけ)
イラヨイ月夜浜 大島保克
○最近の私の研究成果はこれ
<書籍>
・リモートセンシングデータ解析の基礎、古今書院、1998. おかげさまでよく売れて2002年に再版が出た。
でも、ネタが古くなったのでこれで絶版にしようと思う。
<論文>
・サンゴ礁干潟の環境変化と保全(共著)、(財)日本自然保護協会、1994,1995.
・分光反射測定のサンゴ礁環境調査への応用、国士舘大学人文学会紀要、28号、1995.
・文学部地理学専攻学生に対するリモートセンシング教育、国士舘大学情報科学センター紀要、17号、1997.
・サンゴ礁環境衛星地図の作成、科学研究費研究成果報告書、全39頁、1998.
・第二回白保サンゴ礁モニタリング調査報告書(共著)、石垣市、WWFJapan、全19頁、1998.
・石垣島における1998年のサンゴ礁の広範な白化(共著)。日本サンゴ礁学会誌、No.1(1999),
31-39。
・陸域の開発とサンゴ礁浅海域の変化 琉球列島石垣島白保サンゴ礁を例に
「完新世後期における沿岸域の地形環境動態に関する研究 代表者 海津正倫」、科学研究費報告書、2002,3
<指導した卒論の例>
・ランドサットデータによる中国内モンゴル自治区奈曼(ナイマン)周辺の砂漠化程度の評価
・マレーシア・サラワク州の熱帯林現象の原因 −焼畑と商業的伐採、二つの説を巡る検討−
・支流の流域特性からみた山地河川の粒径変化とその要因 −長野県北部、裾花川と土尻川を例に−
・都市河川における河川敷の土地利用形態 −荒川河川敷ゴルフ場を例に−
・GISを使った江戸の土地利用の復元と経年変化の抽出
・北海道南西部ウトナイ湖の自然景観変遷−人為的背景を中心に
・雲仙普賢岳の地形変化−デジタル標高データを用いた地形解析
・北アルプス南東部常念乗越周辺における亜高山針葉樹林の立地環境