写真はWeb用に画質を落としていますが、パノラマ写真も多く個々のサイズはかなり大きいです。
ご覧いただくには、少なくともISDN程度の速度は必要と思われます。

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@ 東側の山麓から見たパノラマ写真 183KB
A 南側の山麓から見上げたパノラマ写真 261KB
B 東側の海上から 180KB
C 東側上空から見下ろす 24.3KB
D 稜線東側にある三角点付近から西側を見る 134KB
E 三角点付近から南西の山麓を見下ろす 220KB
F 三角点付近から東のサンゴ礁を見る 215KB
G 三角点付近から轟川河口を見る 227KB
H タイトル写真(左の写真)を拡大したもの 81KB
I 完成予想模型 71KB
J カラ岳陸上案設計図面1(2001/9 八重山支庁) 111KB J、Kで描かれている「エプロン」は、その後東側へ移動されました。
K カラ岳陸上案設計図面2(2001/9 八重山支庁) 89KB

 ここに示した写真集は、新石垣空港予定地になっている、石垣島東海岸に面したカラ岳と周辺のものです。カラ岳は石垣島の東海岸にある、標高136メートルの小さな丘です。しかし、あたりのカルスト台地からひっこり立ち上がった山容は、海人(ウミンチュ)が“山あて”をする格好のランドマークになっています(写真Bを参照してください)。カラ岳という名の由来のひとつに、樹木がほとんど生えていない「空(カラ)の山」だからというものがあります。見かけとは違ってこのカラ岳は、あたり一帯の水源になっています。カラ岳の北麓には美しい水田地帯が残っていますが、水はカラ岳からもたらされます。また、東側の海岸には清水の湧水があり、「水浜」という地名が残っています。
 カラ岳は海岸近くの台地から立ち上がった孤立した丘です。風はこの山にぶつかり、上昇気流を起こします。少し前までは、パラグライダーを楽しむ人たちの格好の飛行場になっていました。だいぶ前になりますが、NHKのパラグライダー講座が、このカラ岳を舞台にして撮影されました。この山の周辺には、さまざまな鳥たちが集まりますが、それは上昇気流に舞って山の上空に集まる虫たちを狙ってのことです。新石垣空港の建設に伴って、航空機の離発着にジャマなカラ岳は、その海側の部分が大きく削り取られることになっています(守る会の写真をご覧下さい)。
 カラ岳の南側はゴルフ場になっていますが(上の写真の左下部分)、このあたりのカルスト台地は地下に無数の鍾乳洞が形成されており、ゴルフ場の敷地内だけでもこれまで知られているだけで4つの鍾乳洞があります。鍾乳洞の中には、環境省のレッドリストで絶滅危ぐ種IB類(近い将来に絶滅の危険性が極めて高い種)に指定されているカグラコウモリ、ヤエヤマコキクガシラコウモリ、リュウキュウユビナガコウモリが見つかっています。この三種は、県のレッドデータおきなわでも絶滅危ぐ種、危急種に指定されています。また、つい最近発見された4つ目の鍾乳洞には、3000頭のカグラコウモリの生息が行政側の調査により確認されました。ただ地元紙では、この頭数はなぜか公表されなかったそうです。
 カラ岳は白保サンゴ礁に面していますが、すぐ沖合にはユビエダハマサンゴの巨大群落が存在し、砂浜はウミガメが上陸して産卵する場所として知られています(「白保メール」のバックナンバーをご覧下さい)。新石垣空港の滑走路は、南西側の陸上からこの海岸に向かって作られることになっています。その延長上には誘導灯が設置されるでしょうから、それらはサンゴ礁の海に巨大な鉄塔でも打って建設されるのでしょう。光を嫌うというウミガメは、このような海岸に上陸して産卵するのでしょうか。
 全長2000メートルの滑走路は、カルスト台地のある部分を埋め、またある部分は削って造られます。空港の大きさは、滑走路の長さだけで表現できるものではありません。新空港の敷地は、長さは3500メートル近くになり(そのうち滑走路とその周辺部分が2400メートル以上)、滑走路の部分の幅だけでも400メートル以上にも及びます(JKをごらんください)。そして、海岸からは見上げれば、5、6階建てのビルに相当する高さの、巨大な土手のようなコンクリートの構造物が造られることになっています(Iの完成予想模型参照 ただし滑走路の先端はこの模型より内陸側へ500メートル移動した)。図面に示された新石垣空港の総面積は、138ヘクタールになります。海岸近くにできるこのような巨大な構造物が、隣接するサンゴ礁生態系に影響を与えないと、だれが言い切ることができるでしょうか。サンゴ礁生態系や健全なサンゴ礁環境は、海と陸が一帯となってはじめて維持されるものなのです。また、建設にさいして「赤土による海の汚染はありません」などという行政側の説明を、信じて良いのでしょうか。       <2002年5月>